唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

吉永南央

路に落ちている「たすけて」と書かれたメモ、行方不明の女子中学生…、相変わらず、お草さんの周りは騒がしい…。吉永南央さんの「月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ」を読む。

月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ 作者:吉永 南央 文藝春秋 Amazon お草さんを知らない人々は、彼女を「お節介婆さん」だと思うのだろう。 だが、彼女のちょっとした「お節介」が、人を救い、 人と人との絆を強めもする。 そんなお草さんの物語、「紅雲町珈琲屋…

三歳で亡くなった息子、良一を名乗る男がお草さんの前に現れた…、ざわざわする。吉永南央さんの「初夏の訪問者 紅雲町珈琲屋こよみ」を読む。

初夏の訪問者 紅雲町珈琲屋こよみ 作者:吉永 南央 発売日: 2020/08/28 メディア: 単行本 「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズの、はや、八作目。 和食器とコーヒー豆を販売する粋な店、小蔵屋を経営するお草さん。 緩やかで、優しい物語ではあるが、決してそれば…

とても、とても悲しい事件が起こってしまった…。吉永南央さんの「黄色い実」(紅雲町シリーズ)を読む。

黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ 作者: 吉永南央 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/06/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「紅雲町」シリーズも、もう七作目。 お草さんを始め、小蔵屋を取り巻く人々とも、 同じ町内のお隣さんのような、…

吉永南央さんの「花ひいらぎの街角」を読む。

小蔵屋のお草さんと、周囲の人々との 温かかったり、ちょっと苦かったりする交流を描いた 「紅雲町シリーズ」も六作目。 流れるような文章が心地よい。 リズミカルでありながら、急ぎすぎない。 お草さんの足取りに合わせるような。 一話一話、一字一句、大…

吉永南央さんの「キッズタクシー」を読む。

正当防衛で人を殺してしまった女に、その街はやさしかった…。 木島千春は、AYタクシーに勤務するタクシードライバー。 AYタクシーは、一般業務の他に、子どもの塾や習い事の送り迎えができない 親に代わって送迎する、キッズタクシーを提供している。 千春は…

吉永南央さんの「ヒワマン日和」を読む。

人物の呼び名である。 前髪を目の上で切りそろえたショートボブで、 黒のチュニック、スリムパンツ、ショートブーツと、黒ずくめ。 個性的で存在感アリアリなんだけど、 実体はぼやけた感じがある。 5つの事件に影のように登場するが、 ホントにいるんだか、…

吉永南央さんの「まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ」を読む。

シリーズものは、面白いことがわかっているので、安心して読める。 珈琲豆と和食器を販売する雑貨店の店主、お草さんが活躍する「紅雲町」シリーズの5作目。 水が流れるごとく、砂粒がすべり落ちていくがごとくの文体で、 心になんのささくれも感じさせず、…

吉永南央さんの「糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ」を読む。

紅雲町珈琲屋シリーズの4作目。 雨の日、いわくありげな男が落とした手紙のようなものを拾おうとし、 黒い外車にひかれそうになったお草さん。その時、誤って電器屋の 店先にあったマスコットを倒してしまう。 その弁償を迫られたり、商店街の改装問題に巻き…

吉永南央さんの「ランタン灯る窓辺で」を読む。

あの、「紅雲町シリーズ」の作家さんである。 アパートメント・ストーリーズは、亡き祖母の代わりに、 大家業を押し付けられた(はじめは)司法浪人である瑞輝の、いわば、成長ストーリー。 アパートという、見ず知らずの他人が棲み暮らす一つの箱。そこを舞…