唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

小路幸也

「ごぶさたぁ~、元気だったぁ?」。変わらぬ町、変わらぬ家族の風景がまた、戻って来た。小路幸也さんの「ハロー・グッドバイ 東京バンドワゴン」を読む。

ハロー・グッドバイ 東京バンドワゴン 作者:小路 幸也 集英社 Amazon 「東京バンドワゴン」シリーズの十七作目。 これくらい続くと、大きな変化が無くても、 取り立てて事件が起こらなくても、 読めてしまう。 息の長いシリーズの強みか。 このシリーズに触…

いつもと変わらぬ風が吹き、いつもと変わらぬ安心感がここにはある。小路幸也さんの「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン」を読む。

グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン 作者:小路 幸也 集英社 Amazon 「東京バンドワゴン」シリーズの番外、長編。 今回は、サチさん、我南人、研人と、渡辺クン、甘利クンが イギリスの藍子夫妻のもとで、事件に巻き込まれる物語。 番外…

楽しくて、あたたかな花咲小路商店街。今回の物語の主人公は、弱冠十九歳で駐車場の経営主のすばるちゃん。小路幸也さんの「花咲小路三丁目北角のすばるちゃん」を読む。

花咲小路三丁目北角のすばるちゃん (ポプラ文庫) 作者:幸也, 小路 発売日: 2020/09/04 メディア: 文庫 「花咲小路商店街」シリーズの五作目。 この作家さんの人気シリーズ、「東京バンドワゴン」と同様、 登場人物が全員、良い人。 一っかけらの悪意もなく、…

相も変わらず、温かで、明るい堀田家でした…。小路幸也さんの「イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン」を読む。

イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン 作者:小路 幸也 発売日: 2020/04/24 メディア: 単行本 お馴染みの堀田家の物語も、もう十五作目。 いつもながらの、堀田家の春夏秋冬が描かれる。 ちょっとした、事件とも呼べないことが起こり、 堀田家の面々の、思…

父親が夢見たラクエンとは? 母親の違う四人の兄妹たちが、夏に出会ったものとは。小路幸也さんの「ナモナキラクエン」を読む。

ナモナキラクエン (角川文庫) 作者:小路 幸也 発売日: 2014/05/24 メディア: 文庫 家族の物語を書かせたら、ホント、上手いと思う。 これまで、さまざまな家族形態、絆というものを 見せてくれた。 今回は、父親と兄妹四人、山(サン)、紫(ユカリ)、 水(…

時は昭和、片田舎の駐在さんとその妻の、ほんのり温かなミステリー。小路幸也さんの「駐在日記」を読む。

駐在日記 (単行本) 作者:小路 幸也 発売日: 2017/11/18 メディア: 単行本 おなじみのホンワカミステリーである。 そして、舞台は昭和、地方の駐在所。 それだから、こういう、誰も傷つかない、という始末の付け方も アリかとも思う。 悪意はどこにもない、仮…

高級旅館「銀の鰊亭」で火事があり、焼け跡から四人の遺体が見つかった…。小路幸也さんの「<銀の鰊亭>の御挨拶」を読む。

〈銀の鰊亭〉の御挨拶 作者:小路 幸也 発売日: 2020/02/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) 解き明かされない謎がいっぱい残り、 続編ありきのストーリー展開で、 どうも、釈然としなかった。 人の繋がりや、温かさは、この作家さんの作品全般の テーマの…

小路幸也さんの「アンド・アイ・ラブ・ハー」を読む。

アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文芸単行本) 作者: 小路幸也 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/05/31 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「東京バンドワゴン」シリーズも14作目だとか。 このシリーズを読んでいると、 …

小路幸也さんの「東京カウガール」を読む。

東京カウガール 作者: 小路幸也 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2017/06/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る この作家さんの作品はいずれも、 柔らかで軽く、心が疲れた時に読む本としては もってこいだろう。 前…

小路幸也さんの「ラブ・ミー・テンダー」を読む。

ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン (集英社文芸単行本) 作者: 小路幸也 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/05/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る シリーズの番外編で、我南人と秋実の出会いを描く。 番外編は、見慣れた堀田…

小路幸也さんの「スローバラード」を読む。

<弓島珈琲>シリーズ。 「モーニング」から始まるダイとその仲間の物語、 というなら、4作目か。 大学時代の仲間が年を重ね、 家族を作り、そして、人生の折り返し地点を過ぎる。 変わらないものと、変わっていくもの。 年を重ねてバラバラになっても、 ダ…

小路幸也さんの「花咲小路三丁目のナイト」を読む。

「花咲小路商店街」シリーズも4作目。 一作一作、登場人物が増え、 かなりの人数になるのは、 「東京バンドワゴン」シリーズと同じ。 悪意や冷笑、皮肉は一つもない。 その影もなく、 一点の曇りもない青空を見てるような気にさせてくれる。 良い子、良い大…

小路幸也さんの「ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン」を読む。

「LOVEだねぇ」。「東京バンドワゴン」シリーズ、待望の最新刊。下町の大家族から愛のおすそわけ。 十周年のときが十一作目。というから、大体一年に一作という恒例行事の ような、来年を楽しみに待つような、気持ち。 そして、今作が第十三弾。 もともと大…

小路幸也さんの「花咲小路一丁目の刑事」を読む。

新米刑事の赤坂淳は、昔住んでいた花咲小路商店街に戻り、祖父母と同居することに。非番のたびに、ばあちゃんを介して事件とは言えないご近所のもめごと解決を頼まれる。心優しき人々が住む町のご近所ミステリー。 家でご飯を食べなくなった飼い猫の話、 死…

小路幸也さんの「ビタースイートワルツ」を読む。

舞台は2000年の北千住。前作から9年が過ぎ、ダイも39歳に。甘さばかりではなくほろ苦さもわかってくる年齢だ。若者は大人になり、大人は少々年を取ったが、「弓島珈琲」に流れる空気は変わらない。 「仲間」とか「友情」とか、この年になると、なかなか恥ず…

小路幸也さんの「コーヒー・ブルース」を読む。

舞台は1991年の北千住。喫茶店「弓島珈琲」に人が集う。誰しもが仲間になれそうな、温かな空気が流れる。事件は起こるのだが、読み終えた後の爽やかさは「東京バンドワゴン」につながるものがある。 主人公の弓島大(ダイ)は、「弓島珈琲」のマスター。祖父…

小路幸也さんの「札幌アンダーソング ラストソング」を読む。

春やキュウ、根来刑事らと、そして宿敵、山森との闘いにも 一応の区切りがついたのか。 この作家さんの柔らかで、軽い文体と少女マンガのような装丁に 惑わされるが、事件自体や背景はなかなかヘビーなシリーズだ。 山森は死んだのか、それとも生きながらえ…

小路幸也さんの「札幌アンダーソング 間奏曲」を読む。

札幌が舞台。 刑事、仲野久、通称「キュウ」の目線で語られる、 札幌アンダーソングシリーズの2作目で、「変態性欲クラブ」にまつわる事件のその後。 軽い語り口調だが、描かれる事件は、女子高生の売春だったり、 変態性欲者がからんだ殺人だったり、むしろ…