唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

樋口有介さんの「捨て猫という名前の猫」を読む。

「彼女はたぶん魔法を使う」から始まった

柚木草平シリーズの9冊目。

 

柚木シリーズには、特に昔の探偵ものを思わせる

独特のセリフ回しがある。

 

例えば、「自分に都合の悪い話は聞かなかったことにする。

そうでなければこんな不愉快な人生を三十八年も、

つづけてはこられなかった」とか。

 

で、今さらながら、へぇ~、柚木ってまだ38歳なんだ、と、

関係ないところが気になった。

 

どちらかというと、もっと上、中年の

オッサンかと思っていたから。

いまどきの38歳の男って、こんな口調で話すかねぇ。

 

と言っても、柚木草平モノは好きだから、

別に年は関係なのだが。

 

気取り、照れ隠し、やさしさとか、

いろんな感情が、ごちゃごちゃと

複雑にまじりあって、こんな言い回しになるのかもしれない。

ただ、時々、メンドーくさくもなるが。

 

ビルの屋上から身を投げた女子中学生。

「自殺ではない。それを柚木草平に調べさせろ」

という月刊EYE編集部にかかってきた1本の電話から、

柚木は事件に飛び込んでいく。

 

例によって憂鬱さを抱えながら。

 

捨て猫という名前の猫 (創元クライム・クラブ)

捨て猫という名前の猫 (創元クライム・クラブ)