小路幸也さんの「スローバラード」を読む。
<弓島珈琲>シリーズ。
「モーニング」から始まるダイとその仲間の物語、
というなら、4作目か。
大学時代の仲間が年を重ね、
家族を作り、そして、人生の折り返し地点を過ぎる。
変わらないものと、変わっていくもの。
年を重ねてバラバラになっても、
ダイを中心とした仲間たちの心の繋がりは変わらない。
変わらないと信じられる、
その絆の在り方が、うらやましい。
年を取ることは切ない。
だが、若い時を共有した「仲間」というものは、
再び集まれば、すぐに、その時代に
戻れるのかもしれない。
五十三歳になった<弓島珈琲>のダイのもとに
バンド仲間だったヒトシから連絡が入る。
息子の智一が、書置きを残して、
家出したのだという。
心配したダイは、刑事の三栖、純也らと
智一の行方を探し始めるが、
同じころ、やはり仲間の淳平の妻に
ストーカーが。
ダイたちが秘密にしていた
過去の事件がよみがえり…。
切ない「スローバラード」といったら、
忌野清志郎さんの名曲が思い出されて…。