芦原すなおさんの「ハムレット殺人事件」を読む。
久々に笹野里子が登場する作品だと知って、
待ってましたとばかりに読んだが、
彼女は、どちらかというと、脇役に回ったか。
名探偵役は、ふーちゃんこと、山浦渉のほうだった。
タフでしたたかな女探偵、笹野里子ファンのワタシとしては
少々がっかり。
彼女のシリーズに見られたハードボイルドの匂いもなく、
真相は、ふーちゃんの推理として提示され、
ある一つの可能性として描かれているので、
物足りなさがあった。
里子と遠藤警部との、いつものやり取りは
可笑し味があったが、
少々、くどい場面も。
天才女優、夏日薫がガートルード王妃を演じ、
演出も手掛ける最新舞台「ハムレット」。
最終リハーサルで、登場人物がことごとく殺し合い、
夏日薫までも毒死するという事件が起こった。
夏日と縁があったふーちゃんは、
謎の解明を願い、里子に助けを求めるのだが…。