過去の亡霊が立ち上がり…。吉川英梨さんの「警視庁53教場」を読む。
警察学校モノ、
そういえば、長岡弘樹さんの作品「教場」を読んだばかりだった。
同じような舞台でも、やはり、取り上げ方が全く異なる。
「警視庁53教場」の登場人物たち、今一つ、心が寄り添っていかない。
登場人物の誰もが、中心人物でさえ、少しの歪みを抱えているような気がする。
それは、若さゆえの未熟さとも言えるが。
ちょっと待て、それでいいのか。
彼らはそこいらへんの大学生ではない。
警官未満とはいえ、警察官を目指している若者たちだ。
そして、その過去は、犯罪…。
隠蔽されようがされまいが、警察官になろうとしている者の矜持は…。
警察学校教官の守村が首をつって死んだ。
自殺と思われたが、遺体から筋弛緩剤が検出される。
捜査一課の刑事、五味が府中署の綾乃と組んで、捜査を進める。
守村は、五味の警察学校の同期、同じ教場の仲間だった。
警察学校時代の亡霊が立ち上がり…。
現在の事件に繋がっていく。
そして、五味の過去にも…。