唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

校長から突き付けられた課題は、「退校者ゼロ」。長岡弘樹さんの「風間教場」を読む。

 

風間教場

風間教場

  • 作者:長岡 弘樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: 単行本
 

 

 

これまでの「教場」とは、一味違う。

 

シリーズ初の長編ということもあるが、

警察学校の、「篩にかけ、不要な人材を落とす」教官から、

「退校者を出さない」教官に変化したことも、

その理由になるのか。

 

これまでのシリーズは、学生が軸となり、

風間は、圧倒的存在感があるとはいえ、

あくまでも、学生が主人公であった。

 

今作は、風間の目線が中心となり、

副教官の優羽子、さらにクセ者の校長、久光が加わることで、

風間の心象風景がよく見えた。

 

そのためか、冷静沈着、洞察力に優れ、だが、

厳しい眼を持つ鬼教官に

だいぶ、人間味が加わったような、

柔らかな雰囲気になったような気がする。

 

と言っても、これまでの鬼教官であっても、

学生に向ける視線には温かいものがあったのだが。

 

そして、結末の、久光とのやり取り…。

う~ん、「教場」シリーズ、

今作で一区切りなのだろうか。

 

だとしたら、寂しいのだが、

できたら、「刑事、風間」を読んでみたい。 #教場 #風間公親