薬剤師とホテルマンの微妙なコンビが誕生する?塔山郁さんの「薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理」を読む。
薬剤師とホテルマンのコンビ(?、コンビと言っていいのか)が
薬に関する、事件というほどもないが、トラブルや困りごとを
解決していくという、連作モノ。
一話、二話と、薬剤師の毒島さんにしろ、
ホテルマンの水尾にしろ、のめり込むような吸引力はなく、
だらだらと読んでいたが、
ただ、読み進めるうちに、妙な魅力がじわっと滲んでくるような気がして、
どうも、途中で放り出せなかった。
生真面目で、頭の中には薬のことしかないという毒島さん。
それほど、仕事ができそうな気配もない、
どちらかというと、ポンコツな雰囲気のある水尾くん。
両人とも、ヒーローじゃないけど、
薬剤師仲間や、フロントの先輩などと、
話が進むにつれ、絆ができあがっていく過程が読んでいて心地よい。
薬剤師と医師との関係や、処方箋の在り方など、
ちょっと珍しい、薬剤師が主人公というお仕事ミステリーで、
続きが気になってきた。