唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

中2女子の、青春ミステリーかと、油断した。こんな結末って…。若竹七海さんの「クールキャンデー」を読む。

 

クール・キャンデー (祥伝社文庫)

クール・キャンデー (祥伝社文庫)

  • 作者:若竹 七海
  • 発売日: 2000/10/01
  • メディア: 文庫
 

 

 

主人公の視点で、独白のような形式で進む物語は苦手だ。

主人公の思考に支配、コントロールされるような気がするから。

 

本の装丁からくる印象、そして、

主人公が中学二年生の女子だということで、

ひと夏の、ホロ苦の、青春ミステリーかと、

大いに油断してしまった。

 

してやられた。

何といっても、若竹七海さんなんだから、

油断すべきではなかった。

 

なんと、ブラックな結末よ。

こんな、結末だとは。

 

突き放されて、見捨てられた気分だ…。

 

夏休み初日、そして誕生日の前日、

渚の兄、良輔の妻が、ストーカーに襲われた後、

マンションから飛び降りた。

一時は、持ち直したのだが、容態が急変、

帰らぬ人となった。

 

そして同じころ、ストーカーも、

誰かに追われるように道路へ飛び出し、

トラックに轢かれ、死亡する。

 

だが警察は、ストーカーの死に良輔が

関わっているのではと、疑っている。

 

兄の無実を信じる渚は、兄のアリバイを証明しようと、

調べ始めるのだが…。