あの奇跡的「いい人」、猫弁が帰ってきた!大山淳子さんの「猫弁と星の王子」を読む。
「猫弁」シリーズが帰ってきた!
思いがけなかったので、ホントに嬉しい。
ユーモアたっぷりの文体は健在で、
あちこちでクスリ、クスリとしてしまう。
猫弁こと、百瀬太郎の人に対するあたたかさ、そして、
時々、切なさ、その太郎を見守る、七重や野呂、獣医のまことらの
あたたかい眼差しも、前シリーズ通り。
天才でありながら、常識的な面はポンコツの太郎。
その奇跡的な善人ぶりに、それだけで、涙がにじんでくる。
いい人の太郎が、依頼人を思うあまり、
傷を負わないでいてくれと、願ってしまう。
さて、今作も、入学金詐欺や「死なない猫」騒動、
赤ちゃんの置き去りなど、猫弁の周りでは
ドタバタとさまざまな事件が起き、そして、
太郎の奮闘で、収まる所に収まっていくのも、変わらず。
この安定感で、やっぱり、安心して読める。