伯父の死は本当に、自殺なのか…。私立探偵と酒と女と殺人と。柴田哲孝さんの「渇いた夏」を読む。
殺人、酒、女。。。
そして、タイトルの「渇いた…」ときたら、もう、
ハードボイルドのおぜん立ては整った、という感じ。
物事を枠の外から眺めるような、主人公、神山健介の性格も、
やはり、ハードボイルドにふさわしい。
少年の頃、一緒に暮らした伯父が死に、
その家を相続する。
私立探偵の神山は、伯父の死をきっかけに、
少年時代を過ごした福島に戻ることを決める。
伯父は自殺とされているが、
彼が残した、いわくありげな鍵、
亡き母の写真、殺人事件の調査ノートといったものを調べるうち、
神山は、伯父の死に違和感を持つようになる。
妹の死の真相を探ってほしいと、神山に依頼する池野弘子という女、
そして、時々、神山の周辺で「謎の女」の影がちらつき…。
単純に楽しめた。