殺人犯が殺されていく…、「セクメト」とは、そして、謎の少女の正体とは?太田忠司さんの「セクメト」を読む。
設定や物語の展開が、少しずつ、どこかで読んだような、と、
思わされる作品だったが、テンポが良くて、
結構、前のめりで読み終えた。
殺人事件の容疑者が、刑事の張り込み中に惨殺される。
容疑者を、目の前で殺されてしまった刑事、和賀が、
その後、事件に深く関わっていく。
さらに殺人は続き、その被害者がいずれも、
一人の人間から臓器移植を受けていること、
過去に誰かを殺していることが判明していく。
遺伝子配列、超能力、臓器移植、マッドサイエンティスト、そして古武術…、
多くの要素が絡み合い、SFっぽい警察小説に仕上がっている。
そして、現場に姿を現す夏月という少女の謎めいた言動。
和賀の視点で物語は進むのだが、主人公にしては、
印象が薄くなっているのは…。
個人的には、夏月の祖父が渋くて、イイ感じ。
続編が、他二作出ているそうだから、
回収できなかったところは、続編に持ち込しか?