あぁ、終わった…。春菜は、仙龍の命を救えるのか。隠温羅流の運命は?内藤了さんの「隠温羅 よろず建物因縁帳」を読む。
とうとう、完結してしまった…。
「隠温羅流の導師は、四十二歳で死ぬ」という因縁を断ち切るための
隠温羅流の謎を解き明かす旅は、いよいよ終盤を迎えた。
この旅が始まってから、終わらせるのが惜しくて、惜しくて、
それでも、先を見たくて見たくて、結末まで一気に読んでしまった。
今や、サニワとしての春菜の働きは素晴らしく、
一人の女性として、仙龍へ向ける愛に、心を打たれる。
ともかく、隠温羅流の男たちが、粋で、実にカッコよい。
日本の古来からの言い伝えや、物語、流儀、
神と共に生きている人々の心構え、
そんな諸々が、本当に、清々しい。
後半、長坂が、金屋子を救おうとする春菜に向けた、
「行け、春菜ちゃん」という言葉、
あまりにも、今までのキャラと違っていて、笑ってしまった。
この言葉、「猟奇犯罪捜査斑」シリーズを思い出した。
この作家さん、次々と新たなシリーズを生み出してくれる。
一つが終わったと思ったら、もうすでに、また一つ、始まる。
それはそれで、楽しいが、「憑依作家」シリーズは、
どうしました?