「人間」検事の、それぞれの活躍。「正」も「悪」も一筋縄ではいかないが、事実に真摯に向き合う姿は爽やかだ。直島翔さんの「恋する検事はわきまえない」を読む。
「転がる検事に…」の続編。
前作の主人公だった、久我周平、そして、
新米検事の倉沢、「特捜部初の女性検事」だった常盤などが、
今作ではそれぞれ、短編の主人公を務め、
それぞれの正義を追い求めていく。
倉沢の異動先での活躍もさることながら、
前作でも魅力的だった常盤の人物像が、さらに深く描かれ、
魅力はどんどん、増していく。
その代わりと言ってはなんだが、
久我自身の出番が少なく、少々物足りなかったが、
最後の編で、彼の周辺が騒がしくなりそうな雰囲気が見られ、
続編に期待、か。