ゾンビ、予言者、と来て、新たな敵は、巨人!剣崎比留子の推理は通用する?葉村は、ワトソンの使命を果たせるのか。今村昌弘さんの「兇人邸の殺人」を読む。
「剣崎比留子」シリーズの三作目。
クローズドサークルを扱ったミステリーだが。
少々、異質だと思うのは、
シリーズの軸が、超人研究を行う班目機関の解明を
目的としているためか、
ゾンビだの、予知だの、超人だのといった異世界が登場すること、
そして、剣崎と葉村の関係性に、何か落ち着かない空気感があること。
二人の、相手に対する想いが、
関係をいっそう、複雑にしている。
お互いの「ホームズ」であることと、
「ワトソン」であること。
それに、こだわり過ぎる感があって、まるで、共依存だ。
この二人の「想い」が、謎の解明に、
これ以上影響しなきゃいいけどねと、
余計な心配をしてしまった…。