芦原すなおさんの「雪のマズルカ」を読む。
女探偵が主人公の、究極のハードボイルド。
笹野里子は、女性を同乗させ自動車事故死した夫の後を継いで探偵となる。
実にタフでクール、おまけに超がつくほどのヘソ曲がり。
依頼人から話を聞いても、少しでも気に食わないところがあれば、
「お気に召さないのでしたら、どうぞよそへ」と断ってしまう。
依頼者の代理人が迎えにいくと言っても、
「知らない人にはついていっちゃだめと、母から言われた」と返す。
そうした受け答えがいちいち小気味よい。
調査を引き受ければ、必ず落とし前をつける。
そのためには、引き金もためらわずに引く。
こんな女探偵を、ワタシはもう一人知っている。
若竹七海さんが描くところの、葉山晶だ。
この二人が大好きだ。