唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

相場英雄さんの「ガラパゴス」を読む。

上下2巻で、読み応えのある作品だった。 人間扱いされない派遣労働者、欠陥車隠し、トラブルの隠蔽など、日本経済、 製造企業、人材派遣会社が抱える問題、そして闇が凝縮されたミステリーだ。 警視庁継続捜査班の刑事、田川は、同期の鑑識課、木幡から 身元…

荻原浩さんの「噂」を読む。

10年位前の作品だが、色褪せず、面白く一気に読んだ。 「レインマンが出現して、女のコの足首を切っちゃうんだって。 でも、ミュリエル(香水)をつけていると、狙われない」。 口コミで広まったこんなうわさ通りの事件が起きる。 犠牲者は2人、3人と増え…。…

吉永南央さんの「ランタン灯る窓辺で」を読む。

あの、「紅雲町シリーズ」の作家さんである。 アパートメント・ストーリーズは、亡き祖母の代わりに、 大家業を押し付けられた(はじめは)司法浪人である瑞輝の、いわば、成長ストーリー。 アパートという、見ず知らずの他人が棲み暮らす一つの箱。そこを舞…

川瀬七緒さんの「フォークロアの鍵」を読む。

羽野千夏は民俗学を専攻する大学院生。 昔話や口頭伝承研究のフィールドワークとして、グループホーム「風の里」に通い始めた。 そこは、認知症を患い、問題を起こす老人ばかりが集まる施設だった。 千夏はそこで、コミュニケーションのとれない一人の女性が…

大山淳子さんの「光二郎分解日記 相棒は浪人生」を読む。

七十五歳で、元理科教師の二宮光二郎。趣味は分解。 近頃、短期記憶があやしくなってきており、本人もそれを自覚している。そんな光二郎が、傷害事件の容疑者に…。 人の優しい目線があふれている。年のせいか、やさしさに触れると、すぐにウルウルしてしまう…

樋口有介さんの「プラスチック・ラブ」を読む。

「木村くん」は、いつも彼を取り巻く彼女たちに ひっぱり回されている。 中学から高校までの、閉塞した日常の中でおきる ちょっと不可解な出来事たち。 青春モノといえば、甘くて、すっぱくて、 やるせなくって、そして少し熱いというのが相場だが、木村くん…

玖村まゆみさんの「完盗オンサイト」を読む。

「皇居に侵入」という突拍子もないミッション。 ワクワク感、ドキドキ感、ヒヤヒヤ感など、 エンタテインメントに欠かせない要素がきちんと含まれ、一気に読んだ。 登場人物たちからは、体の芯が冷えるような悪意は感じられない。 「斑鳩」親子を不幸にした…