唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

警察官になった森口泉、機動分析斑を希望するも、試験に失敗してしまうのだが…。柚月裕子さんの「月下のサクラ」を読む。

月下のサクラ 作者:柚月裕子 徳間書店 Amazon 「朽ちないサクラ」の続編。 笑って、泣いて、怒って…、という人間味が、 今回の森口泉には、感じられなかった。口調も硬いし…。 「朽ちないサクラ」では、泉自身、生き生きとしていたと、 思ったのだが。 配属…

次の異動先は、小さな町の警察署。女副署長は、十八年ぶりの殺人事件に挑む。松嶋智左さんの「女副署長 緊急配備」を読む。

女副署長 緊急配備 (新潮文庫) 作者:松嶋 智左 新潮社 Amazon ある作品が気に入って、その続編が出ているなら、 やはり、読むのが当然。 そして、その作家さんを読みつくすのも…。 ま、期待値が高くなって、 肩透かしをくらう場合もあるが。 そして、この「…

台風接近、警戒態勢の警察署内で、警官の刺殺体が発見される。犯人は署内の人間か?女副署長、田添が意地をかけた捜査に…。松嶋智左さんの「女副署長」を読む。

女副署長(新潮文庫) 作者:松嶋智左 新潮社 Amazon 面白かった。 前に読んだ、この作家さんの作品、「匣の人」とは がらりと、趣が異なっていたのにはおどろいた。 だが、「匣の人」の浦も、こちらの主人公となる、 女副署長、田添杏美も、芯が一本、スッと…

いつもと変わらぬ風が吹き、いつもと変わらぬ安心感がここにはある。小路幸也さんの「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン」を読む。

グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン 作者:小路 幸也 集英社 Amazon 「東京バンドワゴン」シリーズの番外、長編。 今回は、サチさん、我南人、研人と、渡辺クン、甘利クンが イギリスの藍子夫妻のもとで、事件に巻き込まれる物語。 番外…

交番という「匣」の中に描かれる人間模様。地味な物語だが、後から心にしみてくる。松嶋智左さんの「匣の人」を読む。

匣の人 作者:松嶋 智左 光文社 Amazon 交番巡査の生活が、淡々と綴られている。 この作家さんの初読み。 ヒリヒリ感は少ないかもしれないが、 読みやすかった。 主人公は、刑事課から地域課の交番勤務に異動した浦貴以子。 彼女が指導役となる新米警官、澤田…

おネエ言葉の自衛官、植木シリーズの三作目。今回は、警察に出向となった植木と女性警察官のコンビが、県警幹部の誘拐事件に挑む。神家正成さんの「桜と日章」を読む。

桜と日章 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:神家 正成 宝島社 Amazon この作品は、「深山の桜」「七四」に続く シリーズものとみていいのだろう。 三作に登場するのが、自衛隊にあって何とも異色な植木礼三郎。 今回も、この作品が初読みで、この…

首から上の皮膚が剥がされた惨殺死体、その意味は…。捜査に行き詰った氷膳莉花が頼るのは。久住四季さんの「異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 剝皮の獣」を読む。。

異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 剥皮の獣 (メディアワークス文庫) 作者:久住 四季 KADOKAWA Amazon 「異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花」の続編。 異常犯罪モノが巷に溢れるが、それぞれがそれなりにヒットしているよう。 だが、手当たり次第に読んでいると、ど…

過去の「ワケ」がてんこ盛り、刑事部資料課の女警官が活躍する…。山邑圭さんの「コールド・ファイル 警視庁刑事部資料課・比留間玲子」を読む。

コールド・ファイル 警視庁刑事部資料課・比留間怜子 (角川文庫) 作者:山邑 圭 KADOKAWA Amazon 「刑事に向かない女」で知った作家さんの作品。 少々訳ありの女警官モノで、興味を持って手に取る。 警視庁の資料課に勤務する比留間玲子。 モデルの経験があり…

富次郎が聞き手を継いだ百物語、結末に不穏な空気が漂って…。宮部みゆきさんの「魂手形 三島屋変調百物語七乃続」を読む。

魂手形 三島屋変調百物語七之続 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「語り捨て、聞き捨て」の百物語シリーズも七作目。 聞き手が富次郎に移った新シリーズにも慣れてきた。 おちかの頃より、調子は軽いか。 今作は、中編のような三編で、 いつもより、サクサ…

頭脳明晰なのに、天性の人の良さ、猫弁と亜子の未来はどうなる…。大山淳子さんの「猫弁と鉄の女」を読む。

猫弁と鉄の女 作者:大山淳子 講談社 Amazon 「猫弁」新シリーズの二作目。 頭脳明晰、だが、人の良さも天才的なため、 常に損ばかり(いや、損と言うのは、世間の金銭的な考えを 先にしているから、彼にとってはどうでもいいのだろう)。 だからこそ、何とも…

今回のいきもの係は、日本を飛び出して、ラオスへ…!大倉崇裕さんの「ゾウに魅かれた容疑者 警視庁いきもの係」を読む。

ゾウに魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 作者:大倉 崇裕 講談社 Amazon 最強で最凶の薄圭子が見られた。 警視庁いきもの係シリーズの六作目で、長編としては二作目。 これまでのものと比べ、スケールがでっかい。 何しろ、二人で海外へと飛び出しちゃうんだ…

「つながりません」、彼女の一言で、動き出すのは事件、なのか。長岡弘樹さんの「つながりません スクリプター事件File」を読む。

つながりません スクリプター事件File 作者:長岡弘樹 角川春樹事務所 Amazon 短編の名手の作家さん。 読んでいくうちに、主人公への思い入れが強くなる 連作モノが好きなのだが、この作家さんの作品には連作モノが少ない。 シリーズ色が濃くなるとカセになる…

白人女性の白骨遺体とともに、頭蓋骨が指し示す物語とは…。長崎尚志さんの「風はずっと吹いている」を読む。

風はずっと吹いている 作者:長崎尚志 小学館 Amazon なかなか、ヘビーな内容の作品だったが、 そのヘビーさに負けない、ぐいぐいと引っ張っていく力強さがあった。 原爆の恐ろしさ、悲惨さにまつわるストーリーで、 この時期に作品と出会うのは、縁のような…

文芸って、やっぱり、深い…。でも、日常の謎解きも面白い。父娘二人の掛け合いも。北村薫さんの「中野のお父さん」を読む。

中野のお父さん (文春文庫) 作者:薫, 北村 文藝春秋 Amazon 中野のお父さんは謎を解くか 作者:薫, 北村 文藝春秋 Amazon 図書館の本棚に、 「中野のお父さん」と「中野のお父さんは謎を解くか」の二冊が並んでいた。 この作家さんの作品は、本当に久しぶり。…

物語は、いよいよ最終段階へ…、棟梁の身に何か?内藤了さんの「蠱峯神(やねがみ) よろず建物因縁帳」を読む。

蠱峯神 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ) 作者:内藤了 講談社 Amazon 「よろず建物因縁帳」シリーズも九冊目。 穏温羅流の因縁が浮かび上がり、いよいよ佳境に入る。 このシリーズを読み始めた当初は、主人公である春菜に全く共感できず、 リタイアしそうだ…

新シリーズ始動!読み応え十分。宮部みゆきさんの「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」を読む。

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続 作者:宮部 みゆき 毎日新聞出版 Amazon 三島屋のおちかが聞き手となる百物語シリーズが完結して 寂しいなぁと思っていたら、新シリーズが始まって、 あら、嬉しや。 ただ、聞き手が富次郎に変わってしまって、 違和感…