文芸って、やっぱり、深い…。でも、日常の謎解きも面白い。父娘二人の掛け合いも。北村薫さんの「中野のお父さん」を読む。
図書館の本棚に、
「中野のお父さん」と「中野のお父さんは謎を解くか」の二冊が並んでいた。
この作家さんの作品は、本当に久しぶり。
最後に読んだのは、二十年以上前か。
二作とも、実に面白かった。
知識と本に対する熱がなければ、ついていけないんじゃないかと思ったが、
それは杞憂に終わった。
編集者の娘と、高校の国語教師の父。
どちらも、言葉や本のプロのようなものだ。
蘊蓄のようなものがズラズラと並べられていると、
途中で投げ出してしまうことのほうが多いが、
このシリーズは、蘊蓄ももちろんあるけれど、
文芸に関わる日常の謎を、肩ひじ張らずに解いて見せてくれる。
謎解きに、文芸関連の知識がオマケでついてくる、
そんな感じで、楽しめる。