唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

彼女に幸運が舞い込むことは、あるのだろうか…。若竹七海さんの「不穏な眠り」を読む。

 

不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

  • 作者:若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫
 

 

 

不運な探偵、葉村晶は健在だ。

 

四つの短編が収められた連作もの。

 

相も変わらず、自分勝手な依頼人に振り回され、

災いに巻き込まれ、首を絞められそうになったり、

池に落とされたりと、不運をもろ、かぶっている。

 

お馴染み過ぎて、ああ、葉村は元気だと、ホッとするのだ。

 

だが、悪態をつきながらも、依頼人の願いにこたえようと

走り回ってしまうのは、

お人好し以外のなにものでもない。

 

そんな依頼人、ほっとけよ、

と声をかけたくなるのだが。

 

何度でも言いたくなる、

「ハムラ、アンタはえらいよ」と。

 

そこまでして走り回るのは、

「ホントのところが知りたい」という好奇心の

なせる業か。

 

どこかネジの緩んだというか、外れた人物が

相も変わらず登場し、読んでいるこちらを落ち着かなくさせる。

なんでこんな思考回路?

なんでこんなことができるの?

と、葉村に代わって、こっちがヤキモキしている。

 

さらにさらに、来年一月から、

TVドラマ化されるのだという。

やめてほしいなぁ、実写化は嫌なのだ。

 

でも、葉村役はシシドカフカさんだと聞き、

なら、いいやと、手のひら返しをしてしまった。

ファンなもんで…。