唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

麻見和史さんの「永久囚人 警視庁文書捜査官」を読む。

同シリーズは、この作品が初読み。 文字、文章、小説などを分析し、 謎を解明していく捜査官。 活字中毒者にとっては、なかなか、興味深い設定だ。 ただ、もう少し、登場人物がキャラ立ちしても いいんじゃないか。 探偵役の鳴海も、チームメンバーの矢代も…

長岡弘樹さんの「赤い刻印」を読む。

人間の繊細な心の動き、哀しみ、憂い、 怒り、驚き、怯えが細やかに描き出されている。 この作家さんの短編には、いつも、唸らされる。 いつのまにか、思いがけない結末に導かれ、 それでも、違和感はなく、納得してしまう。 「傍聞き」に登場した母娘が再び…

近藤史恵さんの「わたしの本の空白は」を読む。

ある意味、恐ろしい物語だ。 目覚めると、そこは見知らぬ病室。 主人公、三笠南は、記憶をなくしていた。 そして、夫だという男が病室を訪れる。 夫に連れられて戻った家では、義母、義姉が、 思わせぶりな態度をとる。 誰も信じられないなかで、妹の存在だ…

小路幸也さんの「花咲小路三丁目のナイト」を読む。

「花咲小路商店街」シリーズも4作目。 一作一作、登場人物が増え、 かなりの人数になるのは、 「東京バンドワゴン」シリーズと同じ。 悪意や冷笑、皮肉は一つもない。 その影もなく、 一点の曇りもない青空を見てるような気にさせてくれる。 良い子、良い大…

太田忠司さんの「万屋大悟のマシュマロな事件簿」を読む。

親バカな、警備会社の社長が主人公。 愛する娘を守るため、さまざまな事件に対峙する。 「鬼の万屋」と異名をとった、凄腕SPだった彼は、 ある出来事をきっかけに、退職。 民間警備会社を立ち上げる。 「金曜22時テレビドラマ化未決定!?」の フレーズがウ…

翔田寛さんの「冤罪犯」を読む。

船橋署捜一巡査部長、香山を中心に、 三宅、増岡の刑事コンビ、 入江係長…。 刑事、一人一人が主人公、 そんな警察小説である。 曲者ぞろいだが、気合が入った刑事の物語は、 読み進めば進むほど、深く深く引き込まれていく。 警察のメンツよりも、上層部の…

大沢在昌さんの「夜明けまで眠らない」を読む。

元傭兵、今はタクシードライバー。 このギャップが、ああ、この作家さんのハードボイルドだ~と ワクワクする。 戦場という非日常の世界と、 日本の都会という日常の世界。 二度とむこうには戻らないと思った男が 二つの世界の境界線を越えるとき、そこには …

香納諒一さんの「幸」を読む。

所轄、海坂署に誕生した、少々風変わりなコンビ。 中年刑事、寺沢の新しい相棒となったのは、 本店捜一から異動してきた一ノ瀬明子。 彼女は、シングルマザーにならんとする 妊娠八か月の妊婦だった。 これまでにない刑事コンビの誕生に、 期待感が膨らむ。 …

曽根圭介さんの「TATSUMAKI 特命捜査対策室7係」を読む。

トンデモな女刑事と新米男性刑事コンビものは かなり目にする。 女刑事が傍若無人に突っ走り、 めちゃめちゃにひっかきまわす。 その傍若無人ぶりの犠牲になるのは、 いつも、コンビを組まされる新米刑事だ。 この作品は、未解決事件を洗いなおす 特命対策室…

香納諒一さんの「第四の闇」を読む。

男くさいハードボイルドとは、少々、雰囲気が異なる。 始まりから、主人公に心がそっていかない。 インターネット心中で妻を亡くした男が 酒におぼれたあげく、アル中になる。 それはそれで、うなずけるのだが、 結末まで、アルコールの中から、闇の中から …

佐々木譲さんの「犬の掟」を読む。

二組の刑事コンビが、別々の角度から一つの事件を追いかける。 徐々に集束してはいくのだが、 物語開始からしばらくはバラバラ感が気になる。 謎の輪郭がボンヤリし、どこを目指しているのか、 きょろきょろ、ウロウロしてしまった。 二組の刑事コンビが同じ…