唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

宮部みゆき

少女おりんと「お化けさん」たちとの温かい交流、「悪意」に立ち向かう勇気に、心がほろほろ…と。宮部みゆきさんの「あかんべえ」を読む。

あかんべえ(上) (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon あかんべえ(下) (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon 何か、とてつもなく悲しいことが起こったとき、 そこからの逃げ場となるのが、ワタシの場合、小説。 例えば、池波正太郎さん、…

おちかと勘一の行く末は、どうなるのだろう。どうしても気になる…。宮部みゆきさんの「三鬼」と「あやかし草紙 三島屋変調百物語」を読み返す。

三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「三島屋変調百物語」シリーズの第四作、「三鬼」を 何度繰り返して読んだことだろう。 この…

「ぼんくら」シリーズを上回るか、期待度ハンパない。宮部みゆきさんの「きたきた捕物帖」を読む。

きたきた捕物帖 作者:宮部みゆき PHP研究所 Amazon この作家さんは、人物描写がホントにうまい。 登場人物一人ひとりが、出てくると同時に、こちらの心をわしづかみにする。 だが、この作品の主人公、北一のキャラは、まだ、ぼうっとしている。 心を持ってい…

富次郎が聞き手を継いだ百物語、結末に不穏な空気が漂って…。宮部みゆきさんの「魂手形 三島屋変調百物語七乃続」を読む。

魂手形 三島屋変調百物語七之続 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「語り捨て、聞き捨て」の百物語シリーズも七作目。 聞き手が富次郎に移った新シリーズにも慣れてきた。 おちかの頃より、調子は軽いか。 今作は、中編のような三編で、 いつもより、サクサ…

新シリーズ始動!読み応え十分。宮部みゆきさんの「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」を読む。

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続 作者:宮部 みゆき 毎日新聞出版 Amazon 三島屋のおちかが聞き手となる百物語シリーズが完結して 寂しいなぁと思っていたら、新シリーズが始まって、 あら、嬉しや。 ただ、聞き手が富次郎に変わってしまって、 違和感…

”積んどく”本がなくなったので、宮部みゆきさんの「震える岩」と「天狗風」を再読。

震える岩―霊験お初捕物控 作者:宮部 みゆき メディア: 単行本 天狗風―霊験お初捕物控 2 作者:宮部 みゆき メディア: 単行本 時間がたつと、何度でも読み返したくなる作品の一つ。 この作家さんの時代小説、特に、少女が主人公となるものは、 少女の魅力がキ…

宮部みゆきさんの「昨日がなければ明日もない」を読む。

昨日がなければ明日もない 作者: 宮部みゆき 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/11/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 待ってました。 待望の杉村三郎シリーズの最新刊。 「絶対零度」「華燭」、そして表題になっている 「昨日がなけれ…

宮部みゆきさんの「この世の春 上下」を読む。

この作品は、一編の壮大な冒険物語である。 大きな謎を解くために、石野織部、各務多紀、 田島半十郎、白田医師らが一つのチームとなり、 励まし、助け合う。 「闇を覗き込むと、闇に見つめ返される」という。 闇を直視してはいけない。 だが、この者たちは…

宮部みゆきさんの「あやかし草紙 三島屋変調百物語」を読む。

「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」のこの物語も はや、五作目。 第一話の「開けずの間」から 第五話の「金目の猫」まで、 いずれも心に深く染み入って、 奥深いところにストンと収まる、 傑作ぞろいだ。 人の恨みや嫉み、妬みがあやかしとなって、 一家を…

宮部みゆきさんの「三鬼 三島屋変調百物語四之続」を読む。

宮部みゆきさんの時代小説で活躍する女の子たちが好きだ。 おきゃんで、気が強く、ちょっとやそっとではへこたれない。 だが、心優しい彼女たち。 中でも、「ガンバレ」と応援に力が入ってしまうのが 「霊験お初捕物控」シリーズのお初。 賢くて、かわいくて…

宮部みゆきさんの「希望荘」を読む。

クズとまではいかない、悪意とまでも呼べない、どこか歪んだ心を持つ人々。 そうした人々には、思いやりや善意は届かない。ごく普通の人々の暮らしにそうした歪みが入り込んでくると、「普通」は「普通」でなくなる。 宮部みゆきさんの作品の中でも、5本の指…