新シリーズ始動!読み応え十分。宮部みゆきさんの「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」を読む。
三島屋のおちかが聞き手となる百物語シリーズが完結して
寂しいなぁと思っていたら、新シリーズが始まって、
あら、嬉しや。
ただ、聞き手が富次郎に変わってしまって、
違和感を覚えるかなと、初めは、読むのをためらったが、
そんな心配は…。
宮部作品、特に時代小説では、
三島屋おちかもそうだが、霊験お初シリーズのように、
両脚踏ん張って、悪意に対峙する少女たちが大好きだから、
富次郎にはそんなに関心がなかった…。
どれも読み応えのある作品。
特に、表題にもなっている「黒武御神火御殿」は、
何とも手に汗握った。
ワタシとしては、「同行二人」に胸打たれた。
最愛の家族を亡くした者の悲哀が、心に迫り、
涙がにじんだ。
さて、少々、頼りない富次郎だが、
聞き手としての成長が楽しみ、
ま、お勝とおしまがいるから、安心だ。