唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

多くの人に愛でられる桜ではなく、ひっそりと咲く桜。桜星としての矜持を最後まで貫いた男、亀尾。そして、植木礼三郎が登場。神家正成さんの「深山の桜」を読む。

深山の桜 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:神家 正成 宝島社 Amazon この作家さんの初読みが、「桜と日章」だった。 これが、植木シリーズの三作目だったので、 そこから、前へ前へと。 植木という、オネエ言葉を操る男は、 硬いイメージの自衛…

決着は目前か。うら交番のジンクスは、ケッペーや平野の運命はどうなる。内藤了さんの「TRACE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平」を読む。

TRACE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 (角川ホラー文庫) 作者:内藤 了 KADOKAWA Amazon 「東京駅おもてうら交番」シリーズの七作目。 いよいよ、結末に近づいてきている。 今作の犯人の結末は、少々、消化不良で、 また、昔から続いているらしい「組織」の…

心が温まる、ばかりではない。犬と暮らすには、それなりの覚悟が必要…。近藤史恵さんの「シャルロットのアルバイト」を読む。

シャルロットのアルバイト 作者:近藤 史恵 光文社 Amazon 元警察犬、「シャルロット」シリーズの二冊目。 ペットを巡る、日常の、軽い、軽い謎解きで、 相変わらず、読みやすい。 でも、内容は、軽いばかりではない。 ペットも、生き物であるという大前提は…

「人間」検事の、それぞれの活躍。「正」も「悪」も一筋縄ではいかないが、事実に真摯に向き合う姿は爽やかだ。直島翔さんの「恋する検事はわきまえない」を読む。

恋する検事はわきまえない 作者:直島翔 小学館 Amazon 「転がる検事に…」の続編。 前作の主人公だった、久我周平、そして、 新米検事の倉沢、「特捜部初の女性検事」だった常盤などが、 今作ではそれぞれ、短編の主人公を務め、 それぞれの正義を追い求めて…

国際マラソンレースのランナーにテロ組織からの脅迫状が。特別編成チーム、MITのリーダー、下水流が挑むのは…。長浦京さんの「アキレウスの背中」を読む。

アキレウスの背中 (文春e-book) 作者:長浦 京 文藝春秋 Amazon 国際マラソンレースが東京で開かれる。 このレースは、賭けることができるもので、 日本版ブックメーカーの試金石の意味合いがあった。 レースの妨害を企む国際テロ集団から、優勝を期待される…

「困っている人には何かしてあげないと」、小五の咲陽は、「父親が家に帰ってこない」と言う同級生の小夜子を家にかくまうのだが…。天祢涼さんの「陽だまりに至る病」を読む。

陽だまりに至る病 (文春e-book) 作者:天祢 涼 文藝春秋 Amazon 前二作ほどの切なさは、感じなかった。 それは、この作品に登場する、小五の二人の女の子、 咲陽と小夜子が、なかなかのたくましさを備えているからだろうと思うのだ。 彼女らは、大人ではない…

マンホールに押し込まれた死体、街灯に吊り下げられた死体…、被害者は、すべて警察関係者だった。六本木の街に、何が起こっているのか。銀ジロウさんの「Darkness」を読む。

Darkness 作者:銀ジロウ 幻冬舎 Amazon 六本木警察署管内で発生した殺人事件の被害者は、 刑事だった。 遺体の口には、コカインが入ったビニール袋が 押し込まれていた。 その後、次々に警察関係者の死体が見つかり、 その口からは、必ず何かを暗示するもの…

新しいヒーローは、科学捜査鑑定人、氏家。古巣の科捜研を相手に、真実を追求する。中山七里さんの「鑑定人 氏家京太郎」を読む。

鑑定人 氏家京太郎 作者:中山七里 双葉社 Amazon シリーズものが多い作家さんの作品を読んだとき、 別作品の登場人物が、顔を見せてくれた時は、 嬉しくてたまらない気持ちになる。 この作品の場合、「ヒポクラテス」シリーズの光崎や、 千葉県警の高頭警部…

冷静な薬剤師、毒島さんと、ホテルマン、爽太との仲は…。今回は、漢方医学の話が盛りだくさん。塔山郁さんの「病は気から、死は薬から・薬剤師毒島花織の名推理」を読む。

病は気から、死は薬から 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:塔山 郁 宝島社 Amazon 毒島さんシリーズも四作目。 この前、TVドラマの中で、クリプトコッカス症が登場した。 これ、このシリーズで、知識として仕入れていた…