決着は目前か。うら交番のジンクスは、ケッペーや平野の運命はどうなる。内藤了さんの「TRACE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平」を読む。
「東京駅おもてうら交番」シリーズの七作目。
いよいよ、結末に近づいてきている。
今作の犯人の結末は、少々、消化不良で、
また、昔から続いているらしい「組織」の話も、
まだ、実体がつかめない感じで、
どんな結末が用意されているのか、期待が大きくなる。
このシリーズは、過去と現在が繋がる謎を解き明かすという目的で、
一つひとつの事件は、真相に繋がる伏線のようなものか。
得体のしれない過去の「怪物」が、
「地下道」を通り、現代に姿を現す。
それは、何とも恐ろしいことなのだが、
「悪意」というものか、「闇」というものかが、
人間のDNAに連綿として受け継がれるのだとしたら、
それは、もう、絶望的だ。
だが、いつの時代にも、柏村や、恵平、平野、桃田のような、
「正」を全うしようとしている者がいるなら、救いなのだろう。
そして、メリーさんが…。
彼女の生きざま、とても好きだ。
そして、羨ましかった…。