唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

中山七里

新しいヒーローは、科学捜査鑑定人、氏家。古巣の科捜研を相手に、真実を追求する。中山七里さんの「鑑定人 氏家京太郎」を読む。

鑑定人 氏家京太郎 作者:中山七里 双葉社 Amazon シリーズものが多い作家さんの作品を読んだとき、 別作品の登場人物が、顔を見せてくれた時は、 嬉しくてたまらない気持ちになる。 この作品の場合、「ヒポクラテス」シリーズの光崎や、 千葉県警の高頭警部…

安定感と安心感。今回は、光崎に宛てた奇妙な脅迫文に、県警も法医学教室も振り回されることに。中山七里さんの「ヒポクラテスの悔恨」を読む。

ヒポクラテスの悔恨 法医学ミステリー「ヒポクラテス」 作者:中山七里 祥伝社 Amazon 重く切ない物語を読んだ後は、やっぱり、 こういう、シリーズものが、想像通りの、というか、 期待通りの筋立てとキャラたちの動きで、安心して読めていい。 「ヒポクラテ…

光崎教授の、解剖から真実にたどり着く鋭さは、いつもの通り。だが、今回の相手は、ちょっと勝手が違うか、感染症…。中山七里さんの「ヒポクラテスの試練」を読む。

ヒポクラテスの試練 法医学ミステリー「ヒポクラテス」 作者:中山七里 発売日: 2020/07/03 メディア: Kindle版 光崎教授、キャシー、真琴、そして埼玉県警の古手川刑事、 お馴染みの面々の活躍。 「ヒポクラテス」シリーズの三冊目。 相変わらず、光崎教授に…

一筋縄ではいかない問題が多すぎる…。刑事・犬養が挑む相手は、民間医療?新興宗教? 中山七里さんの「ラスプーチンの庭」を読む。

ラスプーチンの庭 (角川書店単行本) 作者:中山 七里 発売日: 2021/01/29 メディア: Kindle版 このシリーズは好きなのだが…。 「切り裂きジャックの告白」に始まる、 刑事・犬養隼人シリーズも、短編集も含み六冊目。 第一作の臓器移植から、子宮頸がんワクチ…

事務員の洋子が殺人事件の容疑者に…。事件の陰に、洋子、そして御子柴の過去が…。中山七里さんの「復讐の協奏曲」を読む。

復讐の協奏曲 御子柴礼司 作者:中山七里 発売日: 2020/11/10 メディア: Kindle版 御子柴シリーズの最新刊。 このシリーズを追っていると、 「心の中に獣を飼っている」御子柴の、向かうその先に、 何があるのか、ホントに気になるときがある。 彼が少年の時…

闇の医療、臓器売買。厳しい現実の前に、正義はもろく砕け散るのか。犬養シリーズ第五弾。中山七里さんの「カインの傲慢」を読む。

カインの傲慢 (角川書店単行本) 作者:中山 七里 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 犬養刑事シリーズの五作目。 このシリーズでは、正解の出ないテーマが目立つように なってきた。 今回は、臓器移植と貧困。 事実だけを一つひとつ積み上げ、 謎を解明…

「悪魔」のような弁護士、御子柴。夫殺しの罪に問われた母親の弁護依頼を受けることに…。中山七里さんの「悪徳の輪舞曲」を読む。

悪徳の輪舞曲 御子柴礼司 (講談社文庫) 作者:中山七里 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/11/14 メディア: Kindle版 何が正しいか、正義なのか、ではない。 すべては、「依頼人の利益」のためである。 徹底的に悪いヤツ。 御子柴弁護士シリーズの第四作…

事件の核は、あまりにも、切なく虚しい…。中山七里さんの「護られなかった者たちへ」を読む。

護られなかった者たちへ 作者: 中山七里 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2018/01/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 「護られなかった者たちへ」。 このタイトルが、全てを物語る。 法からも、社会の枠組みからも、 護られることな…

中山七里さんの「能面検事」を読む。

能面検事 作者: 中山七里 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 一ミリたりとも表情筋が動かない、感情を表出することはない、 上司だろうが、そのまた、上だろうが、 どんな相…

中山七里さんの「TAS 特別師弟捜査員」を読む。

TAS 特別師弟捜査員 作者: 中山七里 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/09/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 学園モノというのは、若い子がワチャワチャ騒いで、 共感というものをし難い、という感じがして、 どちらかというと、…

中山七里さんの「逃亡刑事」を読む。

逃亡刑事 作者: 中山七里 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2017/11/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 難しく考える必要もない。 複雑な展開のない痛快な読み物として、 久々に単純に楽しめた。 主役の女警部、高頭冴子と、八歳の…

中山七里さんの「翼がなくても」を読む。

ストーリー展開は、やはり、流石だと思わされる。 だが、ひとつ、乗ってこない。 絶望と希望に翻弄される主人公の心のありようは、 ジェットコースターなみに、天から地へ、 地から天へ、だろうが、 どうしても、主人公に心が寄りそっていかない。 アスリー…

中山七里さんの「連続殺人鬼カエル男ふたたび」を読む。

タイトルからも明らかなように、 あの、カエル男の恐怖が再現する。 「爆ぜる」、「溶かす」、「轢く」、 「破砕する」と、始めから終わりまで、 おぞましい殺戮がノンストップで続くから、 もう、ページを繰る手を止められない。 それこそ、ノンストップで…

中山七里さんの「ヒポクラテスの憂鬱」を読む。

「ヒポクラテスの誓い」の続編。 偏屈で扱いづらい、だが誰もが認める 天才法医学者の光崎藤次郎、 解剖大好きの変人、キャシー、 熱くてまっすぐな刑事、古手川、そして、 新米助教の栂野真琴。 このいつものメンバーが、死体が絡む 6つの難題に挑む。 死者…

中山七里さんの「ネメシスの使者」を読む。

クセ者、渡瀬警部、そして岬検事が登場する。 これまで、さまざまな社会問題をテーマに扱ってきた 作家さんの作品で、今回は死刑制度。 死刑を逃れた凶悪犯の家族が惨殺される。 殺害方法は、その凶悪犯がかつて起こした事件を 踏襲したものだった。 現場に…

中山七里さんの「ヒポクラテスの誓い」を読む。

一人の作家さんを好きになると、その作家さんのあらゆるシリーズを 読みたくなるのは普通のことだろう。 複数のシリーズをまたいで、一つのキャラがあちこちに 顔を出すと、それだけで興奮してしまう。 この作品でも、「連続殺人鬼 カエル男」や犬養刑事シリ…

中山七里さんの「秋山善吉工務店」を読む。

人の子であろうと、イタズラを見つけると大声で怒鳴りつける。 時には、ゲンコツをくらわす。 ワタシが生まれ育った昭和の時代の近所の頑固 ジイサンっていったら、大体、こんな感じだった。 だが、この主人公の善吉じいさんは、ただの 頑固者ではない。 人…

中山七里さんの「ドクター・デスの遺産」を読む。

「お父さんはお医者さんに殺された」。 一人の男の子の訴えから、不気味な医師の姿が浮かび上がってくる。 頼まれて、次々と安楽死を行う人物。人呼んで、「ドクター・デス」。 犬養刑事シリーズの4作目だ。 患者の、のたうち回るほどの痛みと、それを見守る…

中山七里さんの「連続殺人鬼カエル男」を読む。

渡瀬刑事が登場する、中山七里さんの「ネメシスの使者」を「立ち読み」した。 というわけで、そういえば、渡瀬が出てくる「カエル男」がウチにあったことを思い出し 読み返してみた。 ところどころ忘れていたこともあるけど、中山さんの作品はミステリーとい…