安定感と安心感。今回は、光崎に宛てた奇妙な脅迫文に、県警も法医学教室も振り回されることに。中山七里さんの「ヒポクラテスの悔恨」を読む。
重く切ない物語を読んだ後は、やっぱり、
こういう、シリーズものが、想像通りの、というか、
期待通りの筋立てとキャラたちの動きで、安心して読めていい。
「ヒポクラテス」シリーズの四作目。
いつもの通り、古手川の暴走に真琴が付き合い、
一見、自然死や事故死のような案件を、解剖まで持っていく。
ただ、今回は、光崎の過去の件が関わってくるのだが、
光崎は光崎、という、結末もいつも通りで安心だ。
やっと、渡瀬が登場した。
光崎と渡瀬、この二人をもっと絡ませてみたい。
テレビ局のホームページに、光崎に宛てた奇妙な脅迫文が書き込まれた。
「これから一人だけ誰かを殺す。自然死にしか見えない形で」というもの。
それは、光崎に向けた挑戦状だった。
異常死体を調べ回る羽目になる古手川と真琴。
県警も、この脅迫文に振り回され始める。