唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2019-01-01から1年間の記事一覧

今年出会ったオンナ探偵、オンナ刑事たち。

今年も、多くの警察モノを読ませてもらい、 そして、多くのオンナ刑事、オンナ探偵に出会った。 その中で、印象的、というより大好きなオンナ探偵を挙げるとしたら、 葉村晶(若竹七海さん)、笹野里子(芦原すなおさん)。 二人とも、タフでしつこい。葉村…

おっとり「お嬢」、京花街育ちのオンナ刑事が犯人を追い詰める、片岡真子シリーズ二作目。鏑木蓮さんの「炎罪」を読む。

炎罪 (講談社文庫) 作者:鏑木 蓮 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/10/16 メディア: 文庫 京都の女刑事、片岡真子シリーズの二作目。 登場人物の性格描写、心の風景、そして ストーリー展開、全体的に相変わらずの安定感だった。 ただ、決着がちょっと…

刑事を辞めてやる!と、グチりながらも、捜査を始めたらひた走るオンナ。山邑圭さんの「刑事に向かない女 違反捜査」を読む。

刑事に向かない女 違反捜査 (角川文庫) 作者:山邑 圭 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/10/24 メディア: 文庫 「間違って」刑事になってしまった女、 椎名真帆巡査のストーリー二作目。 女性が殺害された後、片耳を切り取られるという 猟奇的事件なの…

彼女に幸運が舞い込むことは、あるのだろうか…。若竹七海さんの「不穏な眠り」を読む。

不穏な眠り (文春文庫) 作者:若竹 七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/12/05 メディア: 文庫 不運な探偵、葉村晶は健在だ。 四つの短編が収められた連作もの。 相も変わらず、自分勝手な依頼人に振り回され、 災いに巻き込まれ、首を絞められそう…

ゾンビ・ウィルスに立ち向かうのは、六十五歳の研究者。跳ねっかえり捜査官とともに走り回る…。内藤了さんの「メデューサの首 微生物研究室特任教授 坂口信」を読む。

メデューサの首 微生物研究室特任教授 坂口信 (幻冬舎文庫) 作者:内藤 了 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2019/12/05 メディア: 文庫 パンデミック小説は、 一行目を読みだしたが最後、そのまま一気に、 最終ページまで持っていかれてしまう。 ウィルスに…

「悪魔」のような弁護士、御子柴。夫殺しの罪に問われた母親の弁護依頼を受けることに…。中山七里さんの「悪徳の輪舞曲」を読む。

悪徳の輪舞曲 御子柴礼司 (講談社文庫) 作者:中山七里 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/11/14 メディア: Kindle版 何が正しいか、正義なのか、ではない。 すべては、「依頼人の利益」のためである。 徹底的に悪いヤツ。 御子柴弁護士シリーズの第四作…

皮肉たっぷり、でも、ちょっとユーモラス、若竹ワールドが全開!若竹七海さんの「死んでも治らない 大道寺圭の事件簿」を読む。

死んでも治らない (光文社文庫) 作者:若竹 七海 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2005/01/12 メディア: 文庫 初めて読んだのがもう、十年以上前だから、 決して新しい作品ではない。 十年前に読んだとき、どんな感想を持ったのか、 もう、完全に忘れている…

待ってました!お帰り、新宿鮫…。大沢在昌さんの「暗約領域 新宿鮫XI」を読む。

暗約領域 新宿鮫XI 作者:大沢在昌 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2019/11/19 メディア: 単行本 ホントに、本当に、待ってました。 「新宿鮫」が帰って来てくれて、 嬉しいの一言だ。それ以外にない。 待ちわびていたのは事実だが、 桃井を失い、晶とは別…

「鷹の目」の異名を持つ女刑事が、フグ毒による連続殺人に挑む…。梶永正史さんの「組織犯罪対策課 白鷹雨音」を読む。

組織犯罪対策課 白鷹雨音 (朝日文庫) 作者:梶永正史 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/02/07 メディア: 文庫 「鷹の目」ともいわれる、タフで洞察力に優れた女刑事、 白鷹雨音が、頭脳を働かせ、犯人を追い詰めていく、 警察小説の王道だろう。 …

悪夢の解明が、連続殺人の謎を解き明かす。フロイト、あかね、ヲタ森の活躍、二作目。内藤了さんんの「夢探偵フロイト てるてる坊主殺人事件」を読む。

夢探偵フロイト: -てるてる坊主殺人事件- (小学館文庫キャラブン!) 作者: 内藤了 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/11/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る このフロイトシリーズは、まだ二作目ということもあってか、 登場するレギュラー陣…

てんでバラバラの三人が、いつしか賞金稼ぎの最強チームに。でも、クセが強すぎる…。川瀬七緒さんの「賞金稼ぎスリーサム!」を読む。

賞金稼ぎスリーサム! 作者: 川瀬七緒 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/10/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この作家さんのストーリーテリングの確かさは これまでの作品で十分証明済み。 絶対的な安心感と安定感で、結末まで一気に走…

刑事時代の風間に会える、相変わらず指導官なのだが…。長岡弘樹さんの「教場0 刑事指導官・風間公親」を読む。

教場0 刑事指導官・風間公親 (小学館文庫) 作者: 長岡弘樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/11/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 風間教官シリーズの三作目、風間公親の刑事時代、 警察学校の教官になる前の物語なので、エピソードゼロだ…

冴えわたる、推理も、スィングも…。田中啓文さんの「辛い飴 永見緋太郎の事件簿」を読む。

辛い飴 (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫) 作者: 田中啓文 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2010/11/11 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (12件) を見る 永見緋太郎シリーズの二作目になる。 読む順番としては間違って…

美術犯罪に挑む、たった二人の捜査斑…。門井慶喜さんの「こちら警視庁美術犯罪捜査斑」を読む。

こちら警視庁美術犯罪捜査班 (光文社文庫) 作者: 門井慶喜 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/01/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 警視庁に新設された、たった二人の捜査斑。 美術にまつわる犯罪の謎を解く。 美貌の捜査官、岸すみ…

連続殺人の現場に残された花びら、こめられたメッセージとは…。宇佐美まことさんの「聖者が街にやって来た」を読む。

聖者が街にやって来た 作者: 宇佐美まこと 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/12/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 神奈川県多摩市の新興地域の、 猥雑さを残した街に住む人々を描いた物語。 その街で花屋を営む桜子、そして娘の菫子、 …

京都弁を使う新米女刑事と、東京からやって来た管理官がコンビを組み、時効寸前の殺人事件に挑む…。鏑木蓮さんの「時限」を読む。

時限 (講談社文庫) 作者: 鏑木蓮 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/03/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 京ことばは、粋な雰囲気を醸し出すという好意的見方があるが、 人を持ち上げながら見下げる、冷たい、など、否定的な 意見もある。 …

「潔癖」刑事と、空気を読まない新米女刑事のコンビシリーズ、二作目!…梶永正史さんの「殺意の証 警視庁捜査一課・田島慎吾」を読む。

殺意の証 警視庁捜査一課・田島慎吾 (講談社ノベルス) 作者: 梶永正史 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/06/07 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る モノは所定の位置。少しでも歪んでいると落ち着かない。 報告書は誤字脱字の無い完璧なモノに…

今回の水原姐さんの相手は、人を喰らう頂点捕食者!?…大沢在昌さんの「魔女の封印」を読む。

魔女の封印 作者: 大沢在昌 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/12/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「姐さん」と、思わず声をかけたくなってしまうような、 そんな強い女性の物語が続く。 深町秋生さんの八神瑛子もそうだが、 …

殺されたのは、〇〇ー〇人間…?横関大さんの「いのちの人形」を読む。

いのちの人形 作者: 横関大 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る SFの匂いを加味した警察小説と、言ってもいいか。 不審死事件が発生する。 非番で、たまたま近くを通りかかった警視庁捜一の刑事、 …

ワルの女神、八神姐さん、健在です!深町秋生さんの「インジョーカー」を読む。

インジョーカー 作者: 深町秋生 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/07/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 「八神瑛子シリーズ」の四作目。 タフで、したたかで、ベラボーに強い女の物語は、 実に爽快で、読んだ後はスカッとする。 …

三人の教授殺しと、近代国家となったばかりの日本の行く末がリンクする…?門井慶喜さんの「東京帝大叡古教授」を読む。

東京帝大叡古教授 (小学館文庫) 作者: 門井慶喜 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2016/04/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 物語は、熊本の第五高等学校男子学生、「阿蘇藤太」の視点で 進んでいく。 藤太は政治家を志望し、東京帝大の…

「着た切り刑事」が誕生した過去の事件が蘇る…。麻野涼さんの「県警出動 時効未遂」を読む。

県警出動: 時効未遂 (徳間文庫) 作者: 麻野涼 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2016/12/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 「県警出動」シリーズの二作目。 群馬県警富岡警察署下仁田分庁舎の刑事、財津が 「着た切り刑事」と異名を取るきっ…

相変わらず、タフで、したたかで…、水原姐さん、ついていきます!大沢在昌さんの「魔女の盟約」を読む。

魔女の盟約 (文春文庫) 作者: 大沢在昌 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2011/01/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (6件) を見る 「魔女シリーズ」の二作目。 この作家さんの作品には、女性が主人公となり、 活躍する物語…

違法捜査、プライバシー侵害、闇…、いろいろあるが、やはり熱い刑事モノだった!誉田哲也さんの「背中の蜘蛛」を読む。

背中の蜘蛛 作者: 誉田哲也 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2019/10/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この作家さんの警察小説としては、少々、異色か。 池袋の男性刺殺事件、新木場での爆殺傷事件、 二つの事案、それぞれ、容疑者が上がり…

今回の因縁の建物は、教会。悪魔と対峙する仙龍チームは、因縁を浄めることができるのか…。内藤了さんの「堕天使堂(サタンのいえ) よろず建物因縁帳」を読む。

堕天使堂 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ) 作者: 内藤了 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/10/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る さてさて、久しぶりの「よろず建物因縁帳シリーズ」。 今回は、どんな悪しき因縁を浄化するのかと、 初めか…

もっと読みたい!「永見緋太郎」シリーズ!!田中啓文さんの「真鍮のむし」を読む。

真鍮のむし (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫) 作者: 田中啓文 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2014/03/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る ぶっ飛んだ作品を続けて読んだ後だからか、 このシリーズに戻ってきてしまう。 という…

バカバカしいけど、投げ出せない、ギャグ満載の…。滝田務雄さんの「和気有町屋南部署 デカは死ななきゃ治らない」を読む。

和気有町屋南部署: デカは死ななきゃ治らない (徳間文庫) 作者: 滝田務雄 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2014/08/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る ぶっ飛んだ物語が続く。 まずは、タイトル。 「和気有町屋南部署(わけありやみなべしょ…

「鬼」と戦う姫を、元死刑囚が護る…。鷹樹烏介さんの「ガーディアン 新宿警察署・特殊事案対策課」を読む。

ガーディアン 新宿警察署特殊事案対策課 (宝島社文庫) 作者: 鷹樹烏介 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2018/01/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る まあまあ、正統な警察小説を読み続けていると、 この作品のように、警察小説ではあるが…

首絞め殺人鬼、<ヒロアキ>とは一体、誰?…。森晶麿さんの「毒よりもなお」を読む。

毒よりもなお 作者: 森晶麿 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/03/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この作品、エンタメとして、好き嫌いがはっきりと分かれそうだ。 <ヒロアキ>という犯罪者に魅せられた主人公、カウンセラーの千尋…

公安捜査官と捜査一課の刑事が、ニアミスを繰り返し…。宇佐美蓮さんの「W 警視庁公安部スパイハンター」を読む。

W 警視庁公安部 スパイハンター (文春文庫) 作者: 宇佐美蓮 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/07/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 水と油のように、決して交わることのない 公安と捜査一課刑事の二人が、 事件でニアミスを繰り返すたび…