公安捜査官と捜査一課の刑事が、ニアミスを繰り返し…。宇佐美蓮さんの「W 警視庁公安部スパイハンター」を読む。
水と油のように、決して交わることのない
公安と捜査一課刑事の二人が、
事件でニアミスを繰り返すたび、
その距離をつめていく。
五編の短編を収録する連作モノ。
なかなか、面白い設定。
短編なので、サクッと読めるが、
少々、物足りなさも残る。
スパイハンターと呼ばれる、公安部外事第二課の樋口と、
捜査一課エースの刑事、西村。
二人が追いかける獲物は当然違うのだが、
この二人が、一つの事件で妙に交わっていく。
副題は、スパイハンターなのだが、
どちらが主人公でも成り立つ作品。
むしろ、西村のとぼけたキャラの方が面白いのだが。
狙う獲物が違うのだから、絡みが少ないのは当たり前だが、
もう少し、絡んでほしかったなぁ。