唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

内藤了さんの「AID 猟奇犯罪捜査斑・藤堂比奈子」を読む。

「進め、比奈ちゃん!アンタは刑事よ」。凄まじい悪意の残骸。命を冒瀆する猟奇犯罪者に、比奈子は母の形見の七味缶を握りしめ立ち向かう。その背中を守るのは、熱い心をたぎらせた仲間たちだ。 現在、ワタシのツボにガッツリはまったシリーズ作品である。 …

樋口有介さんの「枯葉色グッドバイ」を読む。

「アルバイトをしませんか?」。一家惨殺事件の捜査が行き詰まる中、所轄署刑事の吹石夕子はあるホームレスを日当二千円で助手に雇う。女刑事とホームレス、この異色コンビが憂鬱な捜査の中、真相に近づいていく。 羽田のマンションで家族三人が惨殺された事…

誉田哲也さんの「ドルチェ」を読む。

生きる者のために真相を追う刑事、魚住久江。事件が起きる前、事件を起こす前に人を救うことができたら。生者に寄り添うことにこだわり続ける女刑事がいる。 魚住久江シリーズの1作目で、表題作を含む6編が収録されている。 今は練馬署強行犯係に属する魚住…

東野圭吾さんの「祈りの幕が下りる時」を読む。

加賀恭一郎が日本橋に移ったのも、わけがあった。加賀が中学にあがる前、突然に姿を消した母親の謎がついに解き明かされる。作品全体から「切ない」が垣間見え、読み終わってから「ほう」とため息をついてしまった。 この作家さんの作品は、単発ものからシリ…

若竹七海さんの「静かな炎天」を読む。

人の悪意をモロかぶりし、悪態をつきながらも奮闘する葉村。アンタはエライよ。 大好物の葉村晶シリーズの5作目。 今回は登場人物のあまりの理不尽さに憤死寸前になった。 特に、最後の「聖夜プラス1十二月」の店主、富山をはじめとする面々の 葉村に対する…

宮部みゆきさんの「希望荘」を読む。

クズとまではいかない、悪意とまでも呼べない、どこか歪んだ心を持つ人々。 そうした人々には、思いやりや善意は届かない。ごく普通の人々の暮らしにそうした歪みが入り込んでくると、「普通」は「普通」でなくなる。 宮部みゆきさんの作品の中でも、5本の指…

中山七里さんの「ヒポクラテスの誓い」を読む。

一人の作家さんを好きになると、その作家さんのあらゆるシリーズを 読みたくなるのは普通のことだろう。 複数のシリーズをまたいで、一つのキャラがあちこちに 顔を出すと、それだけで興奮してしまう。 この作品でも、「連続殺人鬼 カエル男」や犬養刑事シリ…

内藤了さんの「LEAK 猟奇犯罪捜査斑・藤堂比奈子」を読む。

面白い作品に出会うと、 早く結末にたどり着きたい思いと、 待って、この時間をもっと大事に、終わってしまうのが もったいないという思いの間でがんじがらめになる。 この猟奇犯罪班シリーズも、ワタシのツボに完全に はまった作品であります。 比奈子が、…

浅暮三文さんの「無敵犯 刑事課・亜坂誠 事件ファイル101」を読む。

また一つ、「当たり」の刑事モノに出会えた。 この作家さんとは、「セブン」でお初にお目にかかった。 その時は、あまりインパクトを感じることはなく、 どちらかというと、主人公のキャラも、ストーリー展開でも地味な印象だった。 それが、この作品では、…

逢坂剛さんの「緑の家の女」を読む。

調査員、岡坂神策シリーズの連作短編。 表題作ほか、4編が収録されている。 この「緑の家の女」は、1995年に刊行された「ハポン追跡」を 改題、修正したものだそうだ。 と、奥付前を読んで、あ、昔、「ハポン追跡」は読んだんだと、読んだ後で思い出す。 ま…

誉田哲也さんの「増山超能力師事務所大戦争」を読む。

「増山超能力師事務所」が面白かったが、 ストーリーは完結しないままだったので、 続編はいつ出るんだろうなぁと、思いながら忘れてしまっていた。 そしたら、とっくのとうに出ていた、「増山超能力師大戦争」。 超能力者の存在が認識され、ビジネスとして…

中山七里さんの「秋山善吉工務店」を読む。

人の子であろうと、イタズラを見つけると大声で怒鳴りつける。 時には、ゲンコツをくらわす。 ワタシが生まれ育った昭和の時代の近所の頑固 ジイサンっていったら、大体、こんな感じだった。 だが、この主人公の善吉じいさんは、ただの 頑固者ではない。 人…

佐藤青南さんの「サッドフィッシュ 行動心理捜査官・楯岡絵麻」を読む。

行動心理学を武器に、容疑者の嘘を見抜いて追いつめる 「エンマ様」こと、楯岡絵麻。 行動心理捜査官シリーズの4作目。 相変わらずのマイペースで、小気味がいいほどの言動。 このシリーズを読むたび、人の心理や無意識下の行動というものに 興味を覚える。 …