逢坂剛さんの「緑の家の女」を読む。
調査員、岡坂神策シリーズの連作短編。
表題作ほか、4編が収録されている。
この「緑の家の女」は、1995年に刊行された「ハポン追跡」を
改題、修正したものだそうだ。
と、奥付前を読んで、あ、昔、「ハポン追跡」は読んだんだと、読んだ後で思い出す。
ま、こんなていたらくだから、同じ本を何冊も買ってしまうんであります。
御茶ノ水に「現代調査研究所」を構える岡坂神策は、
探偵ではなく、本職はルポライター。
ただ、事務所の移転問題で恩がある桂本弁護士
(同じビルに弁護士事務所がある)から、
ムチャぶりともいえる案件調査を頼まれることがしばしば。
それが、なかなか剣呑な事件に発展することもあるのだ。
であるから、やっぱり、中みは探偵小説、いや、ハードボイルド
なのであります。
内戦時代のスペイン史に造詣が深いこともあって、
スペインがからんでくる謎解きもあり、
知識のないワタシは、置いてけぼりをくらうことも多い。
短編だが、中・長編にまけない骨太な作品がそろっている。