唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小路幸也さんの「ビタースイートワルツ」を読む。

舞台は2000年の北千住。前作から9年が過ぎ、ダイも39歳に。甘さばかりではなくほろ苦さもわかってくる年齢だ。若者は大人になり、大人は少々年を取ったが、「弓島珈琲」に流れる空気は変わらない。 「仲間」とか「友情」とか、この年になると、なかなか恥ず…

小路幸也さんの「コーヒー・ブルース」を読む。

舞台は1991年の北千住。喫茶店「弓島珈琲」に人が集う。誰しもが仲間になれそうな、温かな空気が流れる。事件は起こるのだが、読み終えた後の爽やかさは「東京バンドワゴン」につながるものがある。 主人公の弓島大(ダイ)は、「弓島珈琲」のマスター。祖父…

佐々木譲さんの「代官山コールドケース」を読む。

地道な捜査。事実を一つ一つ確かめ積み上げる。そうやって、犯人の後ろ姿を追う。未解決事件を扱う、二人だけの特命対策室。骨太で重厚な、ザ・警察小説だ。 正統派の警察小説である。 川崎で女性が強姦されたうえ扼殺されるという事件が発生する。 現場から…

内藤了さんの「ゴールデンブラッド」を読む。

どんな血液型の患者にも輸血可能な「ゴールデン・ブラッド」。これをもとに製薬会社と大学病院が人工血液を開発した。だが、輸血を受けた人が次々に変死する。この人工血液は「奇跡の血液」か「悪魔の血液」なのか。 マラソン会場での爆破、輸血用血液不足、…

大山淳子さんの「猫弁と指輪物語」を読む。

無類のお人好し、心優しき猫専門弁護士「猫弁」こと百瀬太郎が受けた依頼は、 鍵のかかった部屋で妊娠していた猫のお相手探し。 7歳の誕生日、施設に太郎を預け失踪した母の教えを守って、猫弁は今日も空を見上げる。 サスペンスやハードボイルドを立て続け…

大山誠一郎さんの「赤い博物館」を読む。

人とのコミュニケーションが苦手の<赤い博物館>館長と、本庁捜一を追い出された刑事が過去の捜査資料をもとに未解決事件を捜査。謎を解き明かし、真実をあぶりだす。でも、最大の謎は、館長、アナタです! 最初の出会いは、TVドラマ化されたものだった。さ…

柴田よしきさんの「フォーディア・ライフ」を読む。

表の顔は保育園の園長先生。だが、破綻しかかった園を支えるため、 探偵という裏稼業でヤバい仕事を請け負い、時には押し付けられ、 今夜も街を駆けずり回る。ひよっとしたら、 日本で一番忙しい探偵なのかもしれない。 ヤクザや殺人も絡んで、私立探偵が新…

大沢在昌さんの「新宿鮫 絆回廊」を読む。

これほど新宿という街が似合う男はいないだろう。一匹狼の新宿署刑事、鮫島。闇社会に生きる者はその存在を恐れ、彼を「新宿鮫」と呼ぶ。一刑事として街に巣食う悪と戦う彼がたどり着いた結末は、あまりにも切ない。 ワタシのハードボイルド、刑事モノの入門…