唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

誰が敵か、味方はいるのか、中国返還前の香港で「負け犬」たちが命をかけた戦いに挑む。長浦京さんの「アンダードッグス」を読む。

アンダードッグス (角川書店単行本) 作者:長浦 京 発売日: 2020/08/19 メディア: Kindle版 誰が敵で、誰が味方なのか。 瞬時でも油断すると、命を持っていかれる。 裏切りと、駆け引きと。 そんな状況が、スリル満点のヒリヒリする感覚を刺激し、 ページを繰…

殺人犯が殺されていく…、「セクメト」とは、そして、謎の少女の正体とは?太田忠司さんの「セクメト」を読む。

セクメト (中公文庫) 作者:太田忠司 発売日: 2015/01/30 メディア: Kindle版 設定や物語の展開が、少しずつ、どこかで読んだような、と、 思わされる作品だったが、テンポが良くて、 結構、前のめりで読み終えた。 殺人事件の容疑者が、刑事の張り込み中に惨…

老人の孤独死が数十年前の殺人につながる…、そして、一人の女の悲しい過去を片倉が追う。柴田哲孝さんの「黄昏の光と影」を読む。

黄昏の光と影 (光文社文庫) 作者:柴田 哲孝 発売日: 2016/02/09 メディア: 文庫 この作家さんの作品を、続けざまに読んでいる。 先日読んだ「赤猫」から戻る、片倉シリーズの一作目。 「赤猫」もそうだったが、このシリーズは、 現在の事件が過去の事件に繋…

伯父の死は本当に、自殺なのか…。私立探偵と酒と女と殺人と。柴田哲孝さんの「渇いた夏」を読む。

渇いた夏 (祥伝社文庫) 作者:柴田 哲孝 発売日: 2010/07/23 メディア: 文庫 殺人、酒、女。。。 そして、タイトルの「渇いた…」ときたら、もう、 ハードボイルドのおぜん立ては整った、という感じ。 物事を枠の外から眺めるような、主人公、神山健介の性格も…

コーダである主人公が手話通訳士として、ろう者の社会と、そして二つの殺人に関わっていく。丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」を読む。

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫) 作者:丸山 正樹 発売日: 2015/08/04 メディア: 文庫 聴覚障がい者、そして、家族の中で唯一、聴者として 生まれた子ども、コーダ(Coda:Child Of Deaf Adults)としての アイデンティティ。 ああ、こんなにも知…

「女の人の声が聞こえるんです…」、心神耗弱?ではなく、オカルト色の濃い刑事モノ?、誉田哲也さんの「もう、聞こえない」を読む。

もう、聞こえない (幻冬舎単行本) 作者:誉田哲也 発売日: 2020/08/25 メディア: Kindle版 傷害致死事件、魅力あふれる刑事たちとくれば、 この作家さんお得意の警察小説で、 ストーリーの展開にワクワクしながら読み進めていたのだが。 (この作品の主人公に…

定年を目前にした刑事が、二十年前の放火殺人の真相に迫る。柴田哲孝さんの「赤猫 刑事・片倉康孝 只見線殺人事件」を読む。

赤猫: 刑事・片倉康孝 只見線殺人事件 (光文社文庫) 作者:哲孝, 柴田 発売日: 2019/12/10 メディア: 文庫 地味だが読み応え十分の作品である。 定年を目前にして閑職に回った刑事が、 昔手掛け、未解決のままの事件を掘り起こす。 所轄、石神井署の刑事、片…

もう一つの「ON 猟奇犯罪捜査斑・藤堂比奈子」。内藤了さんの「OFF 猟奇犯罪分析官・中島保」を読む。

OFF 猟奇犯罪分析官・中島保 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫) 作者:内藤 了 発売日: 2020/09/24 メディア: Kindle版 もう一つの「ON 猟奇犯罪捜査斑・藤堂比奈子」。 こちらは、中島保の視点で描かれている。 つまり、「ON」と「OFF」は表と裏…