唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

若竹七海

葉崎に、一人の「悪意」がじわじわと広がり…。いつものように、苦味をともなった極上のミステリー。若竹七海さんの「パラダイス・ガーデンの喪失 葉崎シリーズ」を読む。

パラダイス・ガーデンの喪失 葉崎市シリーズ 作者:若竹 七海 光文社 Amazon 近頃、年のせいか、登場人物が次々と現れて、 くるくる場面転換していくストーリーが苦手になってきている。 それぞれがそれぞれの事情を抱え、人物が増えるごとに、 その事情も増…

ミステリーか、ホラーか、それともファンタジー?若竹さん流、不条理な世界への招待状。若竹七海さんの「八月の降霊会」を読む。

八月の降霊会 (角川文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2016/02/25 メディア: Kindle版 結末に到達して、どう、捉えたらいいんだろうと、うなってしまった。 二十年以上前の作品。 昔、読んだ気はするのだが…。 降霊、甦る死者…、ミステリーとして落としどころを…

中2女子の、青春ミステリーかと、油断した。こんな結末って…。若竹七海さんの「クールキャンデー」を読む。

クール・キャンデー (祥伝社文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2000/10/01 メディア: 文庫 主人公の視点で、独白のような形式で進む物語は苦手だ。 主人公の思考に支配、コントロールされるような気がするから。 本の装丁からくる印象、そして、 主人公が中学二…

「タフ」、「最強」。どちらも、オンナ探偵、葉村晶の代名詞。「プレゼント」から「静かな炎天」まで読み直す。

プレゼント (中公文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 1998/12/01 メディア: 文庫 さよならの手口 (文春文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2014/11/07 メディア: 文庫 悪いうさぎ (文春文庫) 作者:若竹七海 発売日: 2005/05/20 メディア: Kindle版 依頼人は死んだ (文…

彼女に幸運が舞い込むことは、あるのだろうか…。若竹七海さんの「不穏な眠り」を読む。

不穏な眠り (文春文庫) 作者:若竹 七海 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/12/05 メディア: 文庫 不運な探偵、葉村晶は健在だ。 四つの短編が収められた連作もの。 相も変わらず、自分勝手な依頼人に振り回され、 災いに巻き込まれ、首を絞められそう…

皮肉たっぷり、でも、ちょっとユーモラス、若竹ワールドが全開!若竹七海さんの「死んでも治らない 大道寺圭の事件簿」を読む。

死んでも治らない (光文社文庫) 作者:若竹 七海 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2005/01/12 メディア: 文庫 初めて読んだのがもう、十年以上前だから、 決して新しい作品ではない。 十年前に読んだとき、どんな感想を持ったのか、 もう、完全に忘れている…

若竹七海さんの「殺人鬼がもう一人」を読む。

殺人鬼がもう一人 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2019/01/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 東京にありながら、 警察庁の姥捨山、あるいは流刑地などと 言われている辛夷ケ丘署。 「問題はあるがクビにす…

若竹七海さんの「暗い越流」を読む。

暗い越流 (光文社文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/10/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 気に入っている女探偵、葉村晶ご登場の作品を含む短編集。 相変わらずの、切って捨てるような物言い、 乾いた文体が心地よい…

若竹七海さんの「製造迷夢」を読む。

残留思念を読む、リーディングという超能力の持ち主、 井伏美潮と、渋谷猿楽署の刑事、一条風太のコンビが活躍する 五編の連作モノ。 「活躍する」と言っても、この作家さんの 作品『らしく』、結末を迎える時には、 後味に少々苦みが残る。 この苦み、読め…

若竹七海さんの「さよならの手口」を読む。

探偵を休業し、ミステリ小説専門の古本屋でバイト中の葉村は、 古本を引き取りに民家を訪れる。 押し入れにあった本を物色しようと体を突っ込んだとたん、 床を踏み抜き転がり落ちる。 転がり落ちた先には、なんと、白骨遺体があった。 白骨に頭突き、なんて…

若竹七海さんの「錆びた滑車」を読む。

<葉村晶>シリーズ、待望の新刊。日本一不運で、同じくらいタフな女探偵の物語。さて、今回は、どんな不運に見舞われるのか…。 で、やはり、のっけから不運をひっかぶり、 ああ、いつもの葉村シリーズだと、妙に安心してしまった。 ホント、裏切られない。 …

若竹七海さんの「御子柴くんと遠距離バディ」を読む。

長野、東京、さらに他の地方都市で発生した事件が複雑に絡んで、 最後には…。 警視庁捜査共助課から長野に戻った御子柴くん、 でも、根っこは相変わらず刑事です。 犯人が名乗り出たり、あるいは犯人を突き止めたりで、 刑事として「持って」いそうなのに、…

若竹七海さんの「静かな炎天」を読む。

人の悪意をモロかぶりし、悪態をつきながらも奮闘する葉村。アンタはエライよ。 大好物の葉村晶シリーズの5作目。 今回は登場人物のあまりの理不尽さに憤死寸前になった。 特に、最後の「聖夜プラス1十二月」の店主、富山をはじめとする面々の 葉村に対する…