ミステリーか、ホラーか、それともファンタジー?若竹さん流、不条理な世界への招待状。若竹七海さんの「八月の降霊会」を読む。
結末に到達して、どう、捉えたらいいんだろうと、うなってしまった。
二十年以上前の作品。
昔、読んだ気はするのだが…。
降霊、甦る死者…、ミステリーとして落としどころを提示してくれるわけでもなく、
ホラーの恐怖を与えてくれるわけでもない、
一筋縄ではいかない、若竹七海さん流の、不条理な世界の物語…。
登場人物が犯した過去の殺人や、降霊会で発生した殺人、
女流作家、南澤秀子の秘書、渡部司が推理を繰り広げるのだが、
それも、果たして、真実なのか。
好き嫌いがはっきりと分かれそうな、作品だった。
南澤秀子のもとに、知人の水屋から降霊会の招待状が届く。
降霊会が行われるのは、水屋の別荘で、会に集まったのは、
霊媒師の母娘、百貨店の社長、水屋の二人の甥、そして、
雇われた執事、メイド、料理人…、
誰もが一クセもふたクセもありそうな。
そして、いよいよ、降霊会は始まったのだが、
呼び寄せられた霊は…。