若竹七海さんの「御子柴くんと遠距離バディ」を読む。
長野、東京、さらに他の地方都市で発生した事件が複雑に絡んで、
最後には…。
警視庁捜査共助課から長野に戻った御子柴くん、
でも、根っこは相変わらず刑事です。
犯人が名乗り出たり、あるいは犯人を突き止めたりで、
刑事として「持って」いそうなのに、ツイていないように見えるのは、
女探偵、葉山シリーズと同じ匂いがする。
これでもか、これでもかと不幸や災難が連鎖し、
悪態をつきながら(これは葉山の場合。御子柴くんは
つきません)事件の渦中に飛び込んでいく。
えらい、えらいと肩を叩きたくなる。
長野県警から警視庁の捜査共助課に出向し、
がんばっている御子柴くんシリーズの第二弾。
年末の仕事納めの前に、事件のあれやこれやを押し付けられ、
相棒の竹花と走り回る。
一つ片付いたと思ったらまた一つ。
なかなか、仕事をおさめられない。
貧乏くじを引くタイプっているのね。
で、最後の最後で大きな不幸に見舞われてしまう。
と、これが第一話。
一話で大きなケガを負った御子柴くんは長野に戻され、
長野県警千曲川署の地域生活安全情報センターのセンター長という
役職につくことに。
都内、長野、あるいは熊本と、あちこちで発生していた事件が、
御子柴は長野で、竹花が東京で動くにつれ、
徐々に繋がりが明らかになり、集束し、一挙解決となる。
数カ所で事件が発生するので、当然、登場人物も増えて、
読んでいるうちに、こいつって誰だっけ、なんて、
ときどき迷子になることもあるけど、ああ~、こうなっていたのね、と、
ジグソーパズルの仕上がった感を味わえる。
竹花がメインキャラで活躍し、御子柴くんが脇役になるストーリーもあるが、
決して物足りなさを感じない。
ところで、御子柴くんのバディといったら、
てっきり小林警部補のことかと楽しみにしていたら、
いつのまにか、退職していたのネ。
ちょっと、それが、残念。