武骨で頑固な元刑事。息子を探しに、鹿児島からやって来た…。永瀬隼介さんの「霧島から来た刑事」を読む。
不器用で頑固、ちょっとやそっとじゃ根を上げない、
昭和の刑事を色濃く感じさせる。
かと思うと、軽めの言動の、いわゆる今的な刑事も登場し、
そのチグハグさが、読んでいるうちに面白くなった。
やり取りや始末のつけ方は、少々、しめっぽく、
泥臭ささを感じもするが、それはそれで、こちらも、面白かった。
武骨な鹿児島弁と相まって、独特の警察小説に仕上がっている。
刑事モノ、というより、親子愛、夫婦愛の物語だったなぁ。
鹿児島県警を退職した元刑事、古賀のもとに、
息子で、警視庁組対部の刑事でもある武の消息不明の知らせが届く。
心配にかられ、古賀は武を探しに東京へ向かうのだが…。
東京という大都会で、どう探したらいいのか、古賀は途方にくれる。
そんな古賀の前に、武の同僚だというが、
まったく組対の刑事には見えない男が現れる。