中山七里さんの「逃亡刑事」を読む。
難しく考える必要もない。
複雑な展開のない痛快な読み物として、
久々に単純に楽しめた。
主役の女警部、高頭冴子と、八歳の少年、猛との絆が
どんどん、太く、強くなる光景に胸が熱くなった。
「アマゾネス」との異名をとる伝説の刑事、高頭のキャラも、
もの凄くいい。
また、ひょんなことから高頭を支援してしまう
暴力団宏龍会、渉外委員長の山崎も、なかなかイイ味を出している。
さらに、佐古ジイ、センセイといった、高頭に肩入れする男たちも
面白い。
千葉県警の組対で薬物事件を扱う有能な刑事、生田が射殺体で
発見された。
その殺害現場の目撃者として、御堂猛が高頭の前に現れる。
猛は、児童施設から脱走中に殺人を目撃したのだった。