中山七里さんの「ドクター・デスの遺産」を読む。
「お父さんはお医者さんに殺された」。
一人の男の子の訴えから、不気味な医師の姿が浮かび上がってくる。
頼まれて、次々と安楽死を行う人物。人呼んで、「ドクター・デス」。
犬養刑事シリーズの4作目だ。
患者の、のたうち回るほどの痛みと、それを見守るしかない家族の苦悩。
安楽死という重いテーマが扱われている。
病気の娘を抱える犬養には、今回の事件はやりにくそうだ。
さらに、今回は犬養の親としての部分が、見え隠れする。
猟犬、犬養の腰が引けているようにも見える。
このごろ、犬養シリーズには、大きな社会問題がテーマとして登場する。
この前は、子宮頸がんワクチンだった。
今度は、猟犬の能力がいかんなく発揮できる凶悪事件で
犬養の活躍をみたい。