唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

「憑依作家」雨宮縁とは、一体、何者なのか…。内藤了さんの「スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁」を読む。

 

スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁 (祥伝社文庫)

スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁 (祥伝社文庫)

  • 作者:内藤了
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: 文庫
 

 

 

この作家さん、よくもまあ、

次々に新しいキャラクターを生み出せること。

 

藤堂比奈子シリーズ(終了はしたが)、

よろず建物因縁帳、東京おもてうら交番、

夢探偵フロイト、微生物研究室…、

 

そして、今度は、憑依作家、だと。

 

いずれにしろ、登場人物たちの魅力が

じわ~っと伝わってくる、あるいは、読みだしてすぐ、

ガツンと心を持っていかれるのだが。

 

この作品は、主人公がつかみどころのないせいか、

あるいは、犯罪者めいた資質を隠しているせいか、

まだ、「心を持っていかれる」段階までいかない。

 

主人公の雨宮縁が、作品の半ばまで、

なかなか登場しないためか、

(主人公でいいよね?タイトルにも含まれているくらいだから)

はたまた、「憑依」しすぎているせいか、

実体がつかみにくい。

 

名探偵役が、これほどまでに謎めいているとは…。

 

ひょっとしたら、実在していないのかも、なんて、

見当違いな読みをしてしまう。

 

ともかく、続編に期待。

 

覆面のミステリー作家、雨宮縁は、

執筆作品シリーズの主人公になり切り、

人前に現れるため、「憑依作家」などと呼ばれている。

 

フリーの装丁デザイナー、蒲田は、

装丁用の写真を撮影中、心温まるような家族の風景を

目にする。

 

だが、後日、電車の人身事故に遭遇し、

死亡した男性が、その家族の父親だと知ってから、

奇妙な出来事に巻き込まれていく。