人の顔を見たら忘れない、特殊能力を持つ新米刑事と、クールな上司のコンビの行く末は…。愁堂れなさんの「忘れない男 警視庁特殊能力係」を読む。
「見当たり捜査を知っていますか?」というコピーに惹かれたのだが、
読んでみれば、肝心の見当たり捜査官としての事件はさわりだけ。
主人公である新米刑事、麻生瞬の幼馴染、佐生正史の
両親の死にまつわる事件だけが、勝手に進んでいく。
人の顔は、一度見たら忘れないという特殊能力によって、
突然、警視庁捜査一課に配属され、
勇んで出勤してきたが、彼が配属されたのは、
特殊能力係という、上司が一人だけの「特殊な課」だった…。
少々ギクシャクした文体で、スピード感が削がれる感じ。
せっかくの異能で、それをフル活用したストーリーが読みたかったのだが。
キャラ設定としては面白いし…。
また、上司、徳永のキャラもクールさが徹底しきれておらず、
中途半端感が残った…。