唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

爆弾を身に付けられ、マラソンさせられた女性が、ゴール目前で爆死…。戸南浩平さんの「炎冠 警視庁捜査一課七係・吉崎詩織」を読む。。

 

炎冠-警視庁捜査一課七係・吉崎詩織 (中公文庫)

炎冠-警視庁捜査一課七係・吉崎詩織 (中公文庫)

  • 作者:戸南 浩平
  • 発売日: 2020/01/21
  • メディア: 文庫
 

 

 

女刑事には、よく、頑固で融通のきかない

中年のオッサン刑事が相棒につく。

 

そういった刑事モノは、最初は、相手を忌々しく思いながら、

そしてギクシャクしながらも、徐々にコンビの息が合ってくる、

そんなプロセスが楽しめる。

 

この作品でも、同じ楽しみが味わえる。

 

拉致され、体に爆弾を巻き付けられた女性、江上理沙子が、

渋谷、ハチ公前で爆死した。

 

彼女は、「死のマラソン」を強要され、

設定された時間内にハチ公前に到着できなかったため、

爆弾が起動したということが、捜査で判明する。

 

そして、捜査を担当する捜査一課七係が担当する捜査本部に

送られてきた犯行声明から、犯行が続くことが予測された。

 

七係に属する吉崎詩織は、ベテラン刑事、堀田と組み、

犯人の背中を追うことに。

 

予測通り、第二、第三の事件が起こり、

犯人によって最後に選ばれたのが、陸上選手だった詩織と

浅からぬ因縁を持つ、東京五輪マラソン候補、樋口舞子だった…。

 

リアリティは別にして、なかなかインパクトのある設定で、

犯人の特定、そして追い詰めるまで、ノンストップで楽しめた。

 

やっぱり、詩織と堀田の、噛み合わなさそうで噛み合ってくるコンビが

絶妙で面白い。