唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

「真犯人の遺体が欲しければ見つけてみろ。さあ、遺体捜しの始まりだ」…。下村敦史さんの「コープス・ハント」を読む。

 

コープス・ハント

コープス・ハント

  • 作者:下村 敦史
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本
 

 

 

女性連続殺人鬼、浅沼聖悟は、八人の女性を殺害した罪で裁かれ、

死刑が確定した。

 

だが結審の場で浅沼は、八件のうちの一件、

水本優香の殺人は自分の犯行ではなく、

自分は真犯人を知っており、すでに真犯人を殺害、

「思い出の場所」に埋めたと告白する。

 

彼の衝撃の告白に世間は騒然となり、

「遺体捜し」が始まる。

 

引きこもりの中学生、宗太は、

ユーチューバーの先輩である「にしやん」に誘われ、

もう一人のユーチューバー、セイと三人の遺体探しに乗り出す。

 

一方、水本優香の事件に真犯人の存在を疑う女刑事、折笠望美は

疑惑を向けていた三人組の男たちを執拗に追いかける…。

 

片や「スタンド・バイ・ミー」を彷彿させる、少年たちの冒険物語、

そして、浅沼の告白に、さらに突っ走る女刑事、

どこかチグハグな二つの視点が、最後には融合して、

真実が明らかになる。

 

ただ、二つの視点のギャップが大きく、

ガクンガクンとつんのめる感じで、読むスピードが削がれ、

一気呵成に、というわけにはいかなかった。

 

中心人物としての視点をどちらにおいていいのか、

宗太のキャラ、折笠のキャラ、どちらも今一つで

共感を寄せるまでには至らなかった。