伊岡瞬さんの「痣」を読む。
結婚一年目で、妻、朝美を殺害された刑事、真壁。
妻のお腹の中には、新しい命が宿っていた。
容疑者は逃走中に自動車事故で死亡する。
妻を亡くした日に、刑事としての真壁も死んだ。
辞職願を出し、その日まであと2週間。
そんな中、管内で、女性の遺体が発見される。
だが、現場には、朝美との関連が疑われる
遺留品が…。
そして、被害者の胸には、朝美の胸にあった
痣と同じ形の傷が残されていた。
またもや、同じような女性の遺体が
発見され、やはり現場には真壁の私物が残っていた。
朝美の事件との関連は。
朝美を殺したのは、容疑者とは別の人物なのか。
腑抜けになっていた真壁をもう一度、現場に
引き寄せる。
失踪した刑事、そしてその跡を追う
父親のベテラン刑事。
謎は重なり合って、迷宮へと導かれる。
主人公のキャラは、魅力を感じるまでにはいかないが、
後輩の宮下が、真壁に疎んじられても、
ひたすら信じてついていく。
その健気さが、胸に残った。