唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

おっとり「お嬢」、京花街育ちのオンナ刑事が犯人を追い詰める、片岡真子シリーズ二作目。鏑木蓮さんの「炎罪」を読む。

 

 

炎罪 (講談社文庫)

炎罪 (講談社文庫)

  • 作者:鏑木 蓮
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

京都の女刑事、片岡真子シリーズの二作目。

 

登場人物の性格描写、心の風景、そして

ストーリー展開、全体的に相変わらずの安定感だった。

 

ただ、決着がちょっとバタバタとまとめた感があって、

それが残念だったが、そこに至るまでは、

十分に引き込まれた。

 

片岡の育った背景、京の花街の女らしい、

一本筋が通った芯のようなものが、彼女なりの

刑事の矜持となって、共感しながら読み進められる。

 

警察モノとして、前作で違和感を感じた京言葉も、

慣れたのか、それほど引っかからなかった。

 

前作で相棒となった高藤との絡みは、少々物足りなさを感じ、

片岡、高藤コンビはまだか、と、後半までジリジリしてしまった。

片岡の捜査に慣れるまでの高藤や、今作の伊澤のような

役どころも、スパイスのような働きで、必要なのかも。

 

精神科医の自宅が全焼し、現場から医師の焼死体が発見される。

同居していた妻は行方不明。

当初、周辺で発生していた連続放火との関連が示唆されたが、

手口の残忍さなどから、片岡は別件の疑いを持つ…。