おっとり「お嬢」、京花街育ちのオンナ刑事が犯人を追い詰める、片岡真子シリーズ二作目。鏑木蓮さんの「炎罪」を読む。
京都の女刑事、片岡真子シリーズの二作目。
登場人物の性格描写、心の風景、そして
ストーリー展開、全体的に相変わらずの安定感だった。
ただ、決着がちょっとバタバタとまとめた感があって、
それが残念だったが、そこに至るまでは、
十分に引き込まれた。
片岡の育った背景、京の花街の女らしい、
一本筋が通った芯のようなものが、彼女なりの
刑事の矜持となって、共感しながら読み進められる。
警察モノとして、前作で違和感を感じた京言葉も、
慣れたのか、それほど引っかからなかった。
前作で相棒となった高藤との絡みは、少々物足りなさを感じ、
片岡、高藤コンビはまだか、と、後半までジリジリしてしまった。
片岡の捜査に慣れるまでの高藤や、今作の伊澤のような
役どころも、スパイスのような働きで、必要なのかも。
精神科医の自宅が全焼し、現場から医師の焼死体が発見される。
同居していた妻は行方不明。
当初、周辺で発生していた連続放火との関連が示唆されたが、
手口の残忍さなどから、片岡は別件の疑いを持つ…。