唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

神木は本物の「怪物」になったのか…。二上剛さんの「黒薔薇 刑事課強行犯係・神木恭子」を読む。

 

黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子 (講談社文庫)

黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子 (講談社文庫)

  • 作者:二上 剛
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/02/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

一人の若き、新米オンナ刑事、神木恭子が

「怪物に育つ」までを描いた、いわば、

成長ストーリーか。

 

読み終えてみれば、人の欲望に振り回されただけの、

なにか、ネバっこい、ドロドロとしたものの中に、

足を突っ込んだような気がする。

 

ストーリー展開はスリリングで、スピーディーで、

引き込まれ、引きずりまわされたが、

神木の仲間となる、折原や係長が、少々、マヌケに見えてくる。

 

神木自身が、悪を追い詰めるやり方に心底は納得していない、

そんな感じを受けた。

正義を振りかざせ、というわけではないが、

「怪物」になるなら、徹底してなってほしい。

自らに言い聞かせるようなところが、少々気になる。

 

それに、結局のところ、悪を追い詰めきれていないし…。