シリーズものは、順番に…。北國浩二さんの「ブラッドショット 横浜市警第3分署」を読む。
「横浜市警第3分署」シリーズの2作目だということだが、
しまった、こちらを先に読んでしまった。
それでも、十分楽しめたのだが、
前の事件が尾を引いているようなので、
やはり、順番通りに読むほうが、より楽しめるだろう。
「横浜市警」は、神奈川県警の不祥事が続き、
警察への信頼が失墜する中で、横浜市長が作り上げた
地域密着型の自治体警察なのだそうだ。
その第3分署に勤務する刑事たちを描いているが、
主役は、刑事の一人、杉山清太。クセモノである。
そして、二人目の相棒、やはりこちらも、なかなかのクセモノである、
女性刑事の鳴海成美とのコンビは、
後半に行くにしたがって、味が出ている。
二人のやり取りにもリズムがあり、楽しい。
さらに、特殊班の刑事たちの動き、市政をめぐる
政治家たちの暗躍など、作品全体の裏に流れる謎、
これは前作、「ヘブンズスラム」を読まねば。
今作では、介護施設で、職員一人、利用者の老人二人が
惨殺され、杉山・鳴海コンビが操作を開始する。
この事件は、一応の決着を見るのだが、
前作から続く謎が、さらに深くなって残されている。
続編に期待、というところだろう。
やっぱり、シリーズものは1作目から…。
