超能力で犯罪を未然に防ぐ…、強烈な個性の捜査官ら。鈴木麻純さんの「重犯罪予測対策室」を読む。
ここのところ、ESP(超能力の一種と言われる超感覚的知覚)が
絡んだ警察モノを立て続けに読んでいる気がする。
正統な刑事モノ愛好家には、超能力は反則のようなものだが、
嫌ってるわけじゃない。
この「重犯罪予測対策室」とは、能力を駆使して、
これから起こる犯罪を未然に防ぐ部署だという。
そういえば、未然に犯罪を防ぐ部署を描いたドラマが
放映されてたっけ、こちらは、テクノロジを駆使したものだったけど。
チームメンバーは四名。
カードで未来予測をする月代、遠隔透視を行う立仙と室長、
そして邪視を操る葛城、
それぞれ、特殊能力が買われて、配属されてきたのだが、
一人ひとりのキャラが立ちすぎているせいか、
その能力が今一つ、ぼんやりしていた。
日本警備組織安全審査機構の新人審査官、小日向響が、
監査の目的で対策室に派遣されるが、
小日向は当初、超能力をどう受け止め、扱えばよいのか、
頭を抱える。
だが、メンバーにくっついて、
バスジャック、毒物混入、人体発火といった事件に対応するうち、
超能力捜査官に関する彼女なりの結論を導き出す。
ぎゅぎゅぎゅっと、多くのものを詰め込みすぎた感や、
メンバーの強烈すぎる個性が多少うるさくもあったが、
そのうち落ち着いてくるか…、続編がありそうなので。