恋人をひき逃げで失った男が、真相をつかむため警官になった。だが、彼は人殺し…。弐藤水流さんの「仮面警官」を読む。
!って、完結せず、続編に持ち込しか…。
TVドラマでもよくある、「続きは劇場版で」っていう
流れを見せられたような。
で、後から調べたら、現在、シリーズ6巻まで出ているとかで、
う~ん、どこかで挫折しそうだ…。
王子署、東十条駅前交番の警官である南条、
定年を目前にした、神奈川県警戸塚署の刑事、多治見、
本庁捜査一課刑事、早乙女、管理官の財前などなど、
多くの人物が次々に登場し、初めは、どこに視点を据えればよいか
迷う。
それぞれの背負った過去や思いが錯綜し、
物語は複雑な色をおびてくる。
だが、散逸していた登場人物の思いが、
ある一点に向けて、徐々にだが、集束していく。
そのプロセスは少々まどろっこしいのだが、
スリリングで物語から目を離せない。
事件で大切な人を失うという過去が、多くの登場人物に
重なりあい、どうしようもなく重い。
そして、極めつけは、南条の過去。
実は、人殺し。
恋人をひき逃げで失い、その復讐のために警官になったが、
そのひき逃げ事件の裏には、陰謀めいたことがありそうで。
王子署管内で、連続殺傷事件が発生する。
美容専門学校の学生が刺殺され、さらに手首を切り裂かれる。
さらに、もう一人は刃物で刺され、重傷をおった。
この作品では、連続殺傷事件の解決までが描かれ、
南条の過去にまつわる謎は、次回に持ち越し、らしい。
登場人物の誰もが、ヒステリックで、思わせぶりで、
謎めいており、それほど魅力的でハマりそうな人物はいない。
う~ん、繰り返すが、6巻って。
南条の過去が、ず~っと引きずられるのか。
読み通す自信はないかも。