ワルの女神、八神姐さん、健在です!深町秋生さんの「インジョーカー」を読む。
「八神瑛子シリーズ」の四作目。
タフで、したたかで、ベラボーに強い女の物語は、
実に爽快で、読んだ後はスカッとする。
どんなにダーティーであっても、だ。
あ~、面白かったと、ページを閉じることができる。
エンタメは、こうでなきゃ。
前作で、八神は夫の死の真相を暴き、
それなりの決着をつけた。
決着はついたが、刑事としての生き方に迷い始めていた。
今回は、中国、そしてベトナムなど東南アジアからの
外国人労働者の犯罪、そして中国マフィア、ヤクザが入り乱れるのは、
いつも通り。そこに、八神を追い落とそうとする、通称「ヒトイチ」の
監察まで加わり、ハードに仕上がっている。
特に、監察の須藤との攻防が面白い。
警察官の「正義」とは…。
アクションももちろん、あり。
ただ、八神のボディガード、里見の出番が少ないのが、
物足りない。
そして、あ~、「カレ」を舞台から降ろしちゃったのね。
八神と「カレ」との関係が、このシリーズの楽しみの一つでもあったから、
そのやり取りが、もう、見られないのは、残念。
魅力的な登場人物を、もう、減らさないでほしい…。